「そう心配されなくても、初陣でゆっくりご覧になれますよ」
冷気を溢れさせながら、真理はちらと零子を見た。
早紀と同じしるしを持つ女性。
「つれないねぇ、極東の中では二人だけじゃないか、憑き魔女は」
自分以外の憑き魔女を見るのは、これが初めてでね。
淳は、早紀と零子を見比べるような動きをした。
「しかも、たった一つしか年が違わない。仲良くなれるかもしれないじゃないか」
淳の言葉とは裏腹に、二人の男の間には火花が散っているようにさえ感じる。
こ、こわい。
早紀は、この場に立っていなければならないだけで、拷問のようなものだった。
「ご冗談を…」
真理が──笑った。
「3rdを狙わないほど、お人よしじゃありませんよ…俺は」
怖い寒い怖い寒い。
早紀は、その真理の笑みを、見ないように目をそらしたのだった。


