極東4th


「そう心配されなくても、初陣でゆっくりご覧になれますよ」

 冷気を溢れさせながら、真理はちらと零子を見た。

 早紀と同じしるしを持つ女性。

「つれないねぇ、極東の中では二人だけじゃないか、憑き魔女は」

 自分以外の憑き魔女を見るのは、これが初めてでね。

 淳は、早紀と零子を見比べるような動きをした。

「しかも、たった一つしか年が違わない。仲良くなれるかもしれないじゃないか」

 淳の言葉とは裏腹に、二人の男の間には火花が散っているようにさえ感じる。

 こ、こわい。

 早紀は、この場に立っていなければならないだけで、拷問のようなものだった。

「ご冗談を…」

 真理が──笑った。

「3rdを狙わないほど、お人よしじゃありませんよ…俺は」

 怖い寒い怖い寒い。

 早紀は、その真理の笑みを、見ないように目をそらしたのだった。