黒い球体の中の、黒い世界を歩く。
中は、外よりももっともっと広かった。
実際に入ったのは初めてであったため、真理もどこへ向かえばよいのかは分からない。
しかし、彼はそのまま歩き続けた。
極上の着心地となった鎧に、わずかな満足を深層で浮かべながら。
それは──唐突に起きた。
視界が、いきなり開けたのだ。
三人の鎧の存在が見え、真理は反射的に足を止めた。
ここがどうやら、目的の場所のようだ。
自分と同じような、黒い鎧の存在。
デザインこそ違え、いずれも名のある、そして力のある魔族なのが、はっきりと伝わってくる。
しかし、彼らは真理の方を見てはいなかった。
全員、前方の闇を見つめているのだ。
真理が、その闇を見やると。
「なるほど、面白い」
闇が、震えるようにしゃべった。
強い魔気が、熱風のように真理に向かって押し寄せる。
ただしゃべるだけでも、それがあふれ出すことを止められないかのように。
入った瞬間の威圧感は、これだったのだ。
そして。
理解した。
これが、自分が──膝を折るべき主だ、と。
「面白い、とおっしゃいますと?」
と、鎧の男が主の方へと語りかける。
新人は、完全なる無視、か。
真理は、多少は覚悟していた。
自分を含めて4つの鎧が、この極東にはある。
誕生日がきて、鎧を受け継いだばかりの新参者。
それに対する扱いとしては、無視もありえるのだろう。
そう、真理が結論づけかけた時。
主が──笑った。
「面白いではないか…おぬしら、見えておらぬのか?」
なに、を。
何を言おうとしているのか。
瞬間。
はっと、三つの鎧は弾かれるように、真理の方を見たのだ。
「新しいカシュメルは、面白い鎧を持っているではないか」
闇の中の主は、魔気を激しく震わせながら、悦楽の笑い声を上げたのだった。
中は、外よりももっともっと広かった。
実際に入ったのは初めてであったため、真理もどこへ向かえばよいのかは分からない。
しかし、彼はそのまま歩き続けた。
極上の着心地となった鎧に、わずかな満足を深層で浮かべながら。
それは──唐突に起きた。
視界が、いきなり開けたのだ。
三人の鎧の存在が見え、真理は反射的に足を止めた。
ここがどうやら、目的の場所のようだ。
自分と同じような、黒い鎧の存在。
デザインこそ違え、いずれも名のある、そして力のある魔族なのが、はっきりと伝わってくる。
しかし、彼らは真理の方を見てはいなかった。
全員、前方の闇を見つめているのだ。
真理が、その闇を見やると。
「なるほど、面白い」
闇が、震えるようにしゃべった。
強い魔気が、熱風のように真理に向かって押し寄せる。
ただしゃべるだけでも、それがあふれ出すことを止められないかのように。
入った瞬間の威圧感は、これだったのだ。
そして。
理解した。
これが、自分が──膝を折るべき主だ、と。
「面白い、とおっしゃいますと?」
と、鎧の男が主の方へと語りかける。
新人は、完全なる無視、か。
真理は、多少は覚悟していた。
自分を含めて4つの鎧が、この極東にはある。
誕生日がきて、鎧を受け継いだばかりの新参者。
それに対する扱いとしては、無視もありえるのだろう。
そう、真理が結論づけかけた時。
主が──笑った。
「面白いではないか…おぬしら、見えておらぬのか?」
なに、を。
何を言おうとしているのか。
瞬間。
はっと、三つの鎧は弾かれるように、真理の方を見たのだ。
「新しいカシュメルは、面白い鎧を持っているではないか」
闇の中の主は、魔気を激しく震わせながら、悦楽の笑い声を上げたのだった。


