極東4th

 そして── 本当に落ちた。

 ズゥシィン!

 自分の両足が、強く強く地面を踏みしめたのを感じる。

 痛みなどは、なかったが。

 びびびび、びっくりした。

 早紀は、驚きに包まれていた。

 そんな彼女に。

『うるさい…』

 真理のため息が、聞こえた気がした。

『それに…抵抗するなと言っているだろう』

 足が、動いた。

 自分の足なのに、自分の足ではない。

 二歩ほど歩いた後。

 深く曲げられた膝から、力が溢れる。

 あ?

 思った時には、上空高く飛び上がっていた。

 一瞬にして、地上の世界が遠くなる。

 屋敷どころか、町レベルで。

 ごぉっと。

 自分の身体が風を斬る。

 とん、で、る?

 その事実を、認識するより先に。

『飛んでいる…だから、暴れるな』

 さも、当たり前のように、真理が先手を打つ。

 ううむ。

 早紀は、その当たり前のような言葉の先手で、逆にパニクれなくなっていた。

 そっか。

 本当に、人間じゃないんだ。

 しみじみと、それを自覚する。

 真理と融合(?)しているような状態だし、2階から飛び降りても無傷な上に、空まで飛んでしまうし。

 変な話だなあ。

 早紀は、本当に、本当に素直にそう思ったのだ。

『…どれだけ呑気な生き物なんだ、お前は』

 真理に冷ややかに突っ込まれたことで、早紀は重大な事実に気づいた。

 考えていることが──全部真理に筒抜けだ、ということに、だ。