極東4th

 後に。

 本当に、ずっとずっと後に。

 イデルグ家の後継ぎ争いの壮絶さを、耳にすることになった。

 兄弟で、正面から殺しあった二人。

 どちらが勝ったかはともかくとして、勝った側は、負けた側の死体を全て食らい尽くしたという。

 何度も何度も、獣のように吠えながら。

 彼らも。

 別の意味で、一つになろうとしたのだ。

 二つの魂を、そんな形でしか融合出来なかったのだ。

 生き残った側は、その後、美濃も甲斐もどちらも名乗らなかった。


『名無しのイデルグ卿』


 鎧を手に入れた時から、彼はそう呼ばれている。

 ある意味。

 彼は、次の限定解除に近い魔族なのかもしれない。

 早紀は、そう思った。


 そして──