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空の大きな蝕が、空全体を揺るがすように震えた。
真理の飛んだ海上は、ただそれだけで全て氷に覆われてゆく。
溶かせない。
天族の鎧は、それを溶かせなくなっていた。
少し前の、あの水蒸気の戦いが嘘のように。
真理が、笑う。
とても魔族的に、残忍に。
早紀は、それを怖いとは思えなくなっていた。
同じように笑うことは出来ないが、彼が種の生存本能のために闘っているのだと、ようやく魂で理解できたのだ。
『暴いたわよ…』
低い笑いを浮かべるのは、貴沙も同じだった。
『あんたの言う限定解除とやらの中でも、一番下っ端だわ…コンプレックスの塊よ、こいつ』
貴沙の解放する情報が、言葉より先に全身を駆け抜けた。
限定解除した者が複数いるというのならば、そこでも順位がつけられるものだ。
王のような地位につく者があれば、蔑まれる者もいて当然だった。
この金の男の屈辱が、全身を広がる。
初めて、きちんとした暴きを全身で感じた。
『ああ、かわいそうな天族ちゃん…せっかく限定解除したのに、結局普通の天族にしか威張れないなんてね』
貴沙の嘲笑は、まるで鎧から漏れたかのように空気を震わせる。
早紀は、その笑いよりも気になることがあった。
貴沙が出来たというのならば。
そして、相手が下っ端というのならば。
さっき真理は、噴き上げる風を集めていた。
うまくできるか、分からないけど。
早紀は、その風を集めてみようとした。
正確には、自分に取り込もうとしたのだ。
脳髄まで、一気に突き抜ける新鮮な魔気だった。
寝ていたわけではないというのに、目が覚めきるという強い感覚。
自分が魔族なのだと。
早紀はいま、それを喜びとして感じた。
どんなおいしい食事よりも、この魔気に叶うものなどない。
鎧の指の先端まで、魔族としての命を感じるのだ。
それ以上、何かしたわけではない。
なのに。
真理が、こう言ってくれた。
『よくやった』
金の星が──落ちた。
空の大きな蝕が、空全体を揺るがすように震えた。
真理の飛んだ海上は、ただそれだけで全て氷に覆われてゆく。
溶かせない。
天族の鎧は、それを溶かせなくなっていた。
少し前の、あの水蒸気の戦いが嘘のように。
真理が、笑う。
とても魔族的に、残忍に。
早紀は、それを怖いとは思えなくなっていた。
同じように笑うことは出来ないが、彼が種の生存本能のために闘っているのだと、ようやく魂で理解できたのだ。
『暴いたわよ…』
低い笑いを浮かべるのは、貴沙も同じだった。
『あんたの言う限定解除とやらの中でも、一番下っ端だわ…コンプレックスの塊よ、こいつ』
貴沙の解放する情報が、言葉より先に全身を駆け抜けた。
限定解除した者が複数いるというのならば、そこでも順位がつけられるものだ。
王のような地位につく者があれば、蔑まれる者もいて当然だった。
この金の男の屈辱が、全身を広がる。
初めて、きちんとした暴きを全身で感じた。
『ああ、かわいそうな天族ちゃん…せっかく限定解除したのに、結局普通の天族にしか威張れないなんてね』
貴沙の嘲笑は、まるで鎧から漏れたかのように空気を震わせる。
早紀は、その笑いよりも気になることがあった。
貴沙が出来たというのならば。
そして、相手が下っ端というのならば。
さっき真理は、噴き上げる風を集めていた。
うまくできるか、分からないけど。
早紀は、その風を集めてみようとした。
正確には、自分に取り込もうとしたのだ。
脳髄まで、一気に突き抜ける新鮮な魔気だった。
寝ていたわけではないというのに、目が覚めきるという強い感覚。
自分が魔族なのだと。
早紀はいま、それを喜びとして感じた。
どんなおいしい食事よりも、この魔気に叶うものなどない。
鎧の指の先端まで、魔族としての命を感じるのだ。
それ以上、何かしたわけではない。
なのに。
真理が、こう言ってくれた。
『よくやった』
金の星が──落ちた。


