極東4th

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 真理は『それ』に、『限定解除』という仮の名前を与えた。

 鎧の中の涙に触れ、どういう形でかその力を目覚めさせた現象のことだ。

 そして、この限定解除は、大空蝕を引き起こすのか。

 真理の頭の中を、『あの存在』がよぎる。

 いまの、魔族の頂点に君臨する者だ。

 代替わりしたのは、前回の大空蝕の時ではなかったか、と。

 勿論、彼がそれをリアルタイムで知っているわけではないが、その程度の知識はほとんど常識のレベルである。

 彼に、極東の4thを任命した者でもあった。

 前回の大空蝕の時、あの存在は限定解除したのか。

 その強さを見せつけ、先代のトップを引き裂いたのか。

 そして、目の前にも。

 天族の、限定解除組が現れた。

 生まれたばかりの真理を滅ぼすために、送りこまれてきたのだ。

 ふふふふ。

 湧き上がる昂揚と、言葉に出来ない充足感が、彼を微笑ませる。

 既に自分が、普通の鎧など相手にならない存在になったことを噛みしめたのだ。

 これこそ、鎧持ちの一族の誉れ。

 これこそ、カシュメルの誉れ。

 逆に言えば。

 限定解除組が、同じ空間にいたというのならば、普通の鎧持ちたちはただでは済まないだろう。

 次元が違いすぎるのだ。

 最初に、真理が『あの人』に会った時のように。

 父は、死んでも恥じるべきことなどなかった。

 ただの、魔族だったのだから。

 たとえその当時、極東の1stであったとしても、さっきの青のように、なすすべなどなく落とされただろう。

 父を殺したのかと、イデルグを疑う隙間などない。

 父は、限定解除の天族を相手にしたに違いない。

 立ち向かったのだ。

 相手がこの鎧だったのかどうかなど、分かるはずもない。

 だが。

 刀に、疑似的な仇討を混ぜることなど、造作もなかった。

「いま? いつがそのいま、なんだ?」

 真理は、自分の中を噴き上がる魔力を集める。

「まだ、俺には傷ひとつついてないのだがな」

 鎧の上に、更に──氷の鎧をまとわせた。