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金属の全身が、打ち震えた。
早紀は、3種の負の乗数を手に入れ──そして、真理を受け入れたのだ。
いままでにない、強い充足感。
足りないものなど、微塵もない。
彼女は、いま初めて自分が完成したことに気づいたのだ。
自分の深い底から、風のようなものが唸るように吹き上げる。
その力ごと、真理にコントロールを委ねた。
鎧の重い身体が、飛翔とは違う意味で浮き上がった。
周囲の黒い帯が、一瞬にしてちぎれ飛び、全てが上に向かって吹き上がる。
もはや、何の呪縛もなかった。
風を生んでいるというのとは、違う気がする。
鎧のエネルギーそのものが、吹き出して止まらない。
まさに、そんなカンジだ。
『ゾクソクするわね』
昂揚を隠しきれない貴沙が、その感覚にうっとりとした声をあげる。
いまの早紀も、同じ状態だった。
こんな快楽を、覚えたことなどない。
『早紀…』
呼ばれるだけで、魂が震える。
自分が金属の塊で、いまは本当によかったと思えるほどだ。
でなければ、名前だけで膝を折ってしまっただろう。
次の瞬間。
鎧は、天を貫く弾丸となった。
降りてくる時、あれほど彼らを苦しめた闇の雲など、一瞬も感じない力強さで、全てを切り裂いてゆく。
すさまじい力が、溢れても溢れても止まらない。
時間と次元と空間と。
全てが、平等に切り裂かれていく。
ああ。
色の違う闇が、遠くに見えた。
すぐに、分かった。
空蝕の始まった空、だった。
金属の全身が、打ち震えた。
早紀は、3種の負の乗数を手に入れ──そして、真理を受け入れたのだ。
いままでにない、強い充足感。
足りないものなど、微塵もない。
彼女は、いま初めて自分が完成したことに気づいたのだ。
自分の深い底から、風のようなものが唸るように吹き上げる。
その力ごと、真理にコントロールを委ねた。
鎧の重い身体が、飛翔とは違う意味で浮き上がった。
周囲の黒い帯が、一瞬にしてちぎれ飛び、全てが上に向かって吹き上がる。
もはや、何の呪縛もなかった。
風を生んでいるというのとは、違う気がする。
鎧のエネルギーそのものが、吹き出して止まらない。
まさに、そんなカンジだ。
『ゾクソクするわね』
昂揚を隠しきれない貴沙が、その感覚にうっとりとした声をあげる。
いまの早紀も、同じ状態だった。
こんな快楽を、覚えたことなどない。
『早紀…』
呼ばれるだけで、魂が震える。
自分が金属の塊で、いまは本当によかったと思えるほどだ。
でなければ、名前だけで膝を折ってしまっただろう。
次の瞬間。
鎧は、天を貫く弾丸となった。
降りてくる時、あれほど彼らを苦しめた闇の雲など、一瞬も感じない力強さで、全てを切り裂いてゆく。
すさまじい力が、溢れても溢れても止まらない。
時間と次元と空間と。
全てが、平等に切り裂かれていく。
ああ。
色の違う闇が、遠くに見えた。
すぐに、分かった。
空蝕の始まった空、だった。


