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鎧の中で──鎧になる。
そんなこと、彼は考えつきもしなかったし、可能だとは思えなかった。
しかし、早紀は一人ではなく。
貴沙をも一緒に、自分の鎧に巻き込もうとした。
魂二人分の力で、彼女は強引に自分に鎧を引きずり寄せたのだ。
何という。
感心と呆れが、同時に彼の中に生まれていた。
型破りにもほどがある。
そして同時に。
これまで覚えたこともない強い愛しさが、激しく渦を巻くのを感じた。
もしいま早紀がそこに立っていたならば、抱き締めずにはいられなかっただろう。
確かに、彼女はいる。
だがそれは、固く黒い金属の姿だ。
ただ、彼には抱擁よりももっと近い距離で、早紀を感じる手段があった。
この鎧の中に、入ればいいのだ。
反射しない黒のはずの表面が、ギラギラと輝いているのはいつもとは違う融合のせいか。
その身に向けて、彼は歩き出した。
手を伸ばしかけて、やめる。
無粋な気がしたのだ。
こんな手より。
真理は、躊躇なくその身体を鎧の目の前に寄せた。
早紀を見る。
鎧の向こうに、確かに息づく彼女を見る。
きっといま、彼女もまた自分を見ていることだろう。
一歩、踏み出す。
兜と顔がぶつかるまで、ほんの一瞬しかない。
まるで。
まるで、兜に口づけるように──真理は、彼女の中へと入っていった。
鎧の中で──鎧になる。
そんなこと、彼は考えつきもしなかったし、可能だとは思えなかった。
しかし、早紀は一人ではなく。
貴沙をも一緒に、自分の鎧に巻き込もうとした。
魂二人分の力で、彼女は強引に自分に鎧を引きずり寄せたのだ。
何という。
感心と呆れが、同時に彼の中に生まれていた。
型破りにもほどがある。
そして同時に。
これまで覚えたこともない強い愛しさが、激しく渦を巻くのを感じた。
もしいま早紀がそこに立っていたならば、抱き締めずにはいられなかっただろう。
確かに、彼女はいる。
だがそれは、固く黒い金属の姿だ。
ただ、彼には抱擁よりももっと近い距離で、早紀を感じる手段があった。
この鎧の中に、入ればいいのだ。
反射しない黒のはずの表面が、ギラギラと輝いているのはいつもとは違う融合のせいか。
その身に向けて、彼は歩き出した。
手を伸ばしかけて、やめる。
無粋な気がしたのだ。
こんな手より。
真理は、躊躇なくその身体を鎧の目の前に寄せた。
早紀を見る。
鎧の向こうに、確かに息づく彼女を見る。
きっといま、彼女もまた自分を見ていることだろう。
一歩、踏み出す。
兜と顔がぶつかるまで、ほんの一瞬しかない。
まるで。
まるで、兜に口づけるように──真理は、彼女の中へと入っていった。


