極東4th

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 目を開けると──魔女二人は、既に立ちあがっていた。

 鎧の男、とやらも。

 どうやら、真理が一番最後の目覚めのようだ。

 あれが、鎧か。

 いつも自分が身につけている姿と、確かに同じものではあるが、あれほど光ってはいない。

 それに。

 あんなに、棘は出てはいない。

 ジャキン!

 鎧の全身から、ハリネズミのような棘が飛び出たのだ。

 早紀が、いやそうに顔をゆがめる。

「早紀を2回目に殺した時が、それだっけ?」

 貴沙が、うんざりした声を出す。

 2回目。

 その表現に、真理は薄く笑った。

 1回目に殺したのが、彼だったからだ。

 重い身体を引き起こす。

 どうやら鎧は、もう一度魔女を殺す気のようだ。

 どちらか、は知らないが。

「「寝ていればいいものを」」

 棘だらけの姿で鎧の男は、真理を見る。

「あんたは早紀を助ければいいわよ…私は自力で逃げるから」

 貴沙がそう言った直後、早紀は彼女の手をぎゅっと握った。

 今度は融合は起きなかったが、二人は手をつなぐ形になる。

「ちょっ」

 彼女は払おうとするが、早紀はそれを離さない。

「死×死が、私だっていうんなら……夢×夢がこの貴沙だって言うんなら…」

 ぶつぶつと。

 まるで呪文のように、彼女は何かを呟き始める。

 早紀の視線が、多少の不安を含みながらも、真理を振り返った。

「鎧×鎧…っていうのも…あり、か、な?」

 バチっと、真理の右のこめかみ上がりに電気が走る。

 彼女の言わんとしていることが、分かりそうで分からない。

 本能の部分では分かるのだが、それをうまく思考に出来ない。

 正確には、それが正しいのか間違っているのか。

 そして、安全なのか危険なのか。

 だが。

 真理は──早紀に手を伸ばしていた。