---
ズクズクと疼く額を抱えたまま、早紀は闇の帯の中を覗き込んだ。
もしこの光が、あの鎧の男だというのならば──彼は、わざとここへ彼らを呼んだのだろう。
早紀を深みへと突き落とし、そして真理がここにいることでさえ、おそらくあの鎧の男が関係しているに違いないのだから。
突然。
ドクンっと、闇の帯が大きく鼓動を打った。
この帯の塊全体が、心臓であるかのように。
早紀の額も、同じように大きく脈打つ。
びくっとしてしまったが、その身体はしっかりと真理に抱きとめられているおかげで、体勢を崩してしまうことなどなかった。
ドクンっ。
もう一度。
もう一度。
生きているのだと。
この中で、何かが生きているのだと、それを彼らに向けてアピールしているようにさえ思える。
声は届かない。
本当の心さえも。
だが、懸命に自分の存在と命を、外へ向けようとするのだ。
「出たいのか…」
真理が、呟く。
いくつもの含みを感じる音。
怪訝と疑惑が、特に強く感じられた。
だが、彼もまたその鼓動が言わんとしていることを汲んでいるのだ。
問題は。
真理とこの存在の利害が一致するかどうか、だろう。
ドクンっ。
額が、呼応する。
早紀を、呼んでいるのか。
「あたしがさわれるくらい、近づいてよ」
貴沙が、勝手に唇を使う。
真理は動かなかった。
動かないまま、『早紀』を見る。
あっ。
それに、気づいた。
「うん、ちょっとやってみる」
真理は──早紀の言葉を待ってくれていたのだ。
ズクズクと疼く額を抱えたまま、早紀は闇の帯の中を覗き込んだ。
もしこの光が、あの鎧の男だというのならば──彼は、わざとここへ彼らを呼んだのだろう。
早紀を深みへと突き落とし、そして真理がここにいることでさえ、おそらくあの鎧の男が関係しているに違いないのだから。
突然。
ドクンっと、闇の帯が大きく鼓動を打った。
この帯の塊全体が、心臓であるかのように。
早紀の額も、同じように大きく脈打つ。
びくっとしてしまったが、その身体はしっかりと真理に抱きとめられているおかげで、体勢を崩してしまうことなどなかった。
ドクンっ。
もう一度。
もう一度。
生きているのだと。
この中で、何かが生きているのだと、それを彼らに向けてアピールしているようにさえ思える。
声は届かない。
本当の心さえも。
だが、懸命に自分の存在と命を、外へ向けようとするのだ。
「出たいのか…」
真理が、呟く。
いくつもの含みを感じる音。
怪訝と疑惑が、特に強く感じられた。
だが、彼もまたその鼓動が言わんとしていることを汲んでいるのだ。
問題は。
真理とこの存在の利害が一致するかどうか、だろう。
ドクンっ。
額が、呼応する。
早紀を、呼んでいるのか。
「あたしがさわれるくらい、近づいてよ」
貴沙が、勝手に唇を使う。
真理は動かなかった。
動かないまま、『早紀』を見る。
あっ。
それに、気づいた。
「うん、ちょっとやってみる」
真理は──早紀の言葉を待ってくれていたのだ。


