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鎧なしで涙に近づけば近づくほど、その威圧感は倍増していく。
真理は、早紀を抱く腕に再び力をこめた。
しかし、思ったより彼女の身体は緊張していない。
貴沙が、いまこの身体を支配しているせいだろうか。
ちらりと、顔を見た。
唇を薄く開いて、頬を紅潮させ──『早紀』は、光を見ていた。
威圧感など微塵も感じていない、そして『早紀』の顔だったのだ。
契約で、鎧と半分つながっているせいか。
光を前に、彼と早紀とでは感じ方が違うようだった。
威圧に耐えうる距離で、ようやく真理は飛翔を止める。
うっすらと、鎧の形をした光が上下した。
肩を震わせて笑っているかのように。
そして、同時に気づいた。
この光の鎧が、この闇の帯の外に出てこないことを。
いや。
もしかしたら、出られないのかもしれない。
涙を閉じ込める──まるで牢獄。
その帯に触れたいとは、とても思えなかった。
闇の帯。
おそらく、魔族の力による何らかの干渉に思えた。
魔族とは、真理が属している領域だ。
ということは。
この力は、魔族によって封じ込めなければならなかったということである。
なにゆえ、涙を封じる。
「……」
真理は、ふと考えを止めた。
ひっかかったことが、あったのだ。
魔族自身は、蝕が始まったことを気づくことが出来ない、という事実を。
では、何故。
何故鎧は、それに気づくことが出来るのか。
真理は、目を細めた。
鎧を形作るものの中に、蝕に関する情報があるから、という仮定が頭を掠めたのだ。
それが、これだというのか。
鎧の中に──涙自身を封じ込めたというのか!?
鎧なしで涙に近づけば近づくほど、その威圧感は倍増していく。
真理は、早紀を抱く腕に再び力をこめた。
しかし、思ったより彼女の身体は緊張していない。
貴沙が、いまこの身体を支配しているせいだろうか。
ちらりと、顔を見た。
唇を薄く開いて、頬を紅潮させ──『早紀』は、光を見ていた。
威圧感など微塵も感じていない、そして『早紀』の顔だったのだ。
契約で、鎧と半分つながっているせいか。
光を前に、彼と早紀とでは感じ方が違うようだった。
威圧に耐えうる距離で、ようやく真理は飛翔を止める。
うっすらと、鎧の形をした光が上下した。
肩を震わせて笑っているかのように。
そして、同時に気づいた。
この光の鎧が、この闇の帯の外に出てこないことを。
いや。
もしかしたら、出られないのかもしれない。
涙を閉じ込める──まるで牢獄。
その帯に触れたいとは、とても思えなかった。
闇の帯。
おそらく、魔族の力による何らかの干渉に思えた。
魔族とは、真理が属している領域だ。
ということは。
この力は、魔族によって封じ込めなければならなかったということである。
なにゆえ、涙を封じる。
「……」
真理は、ふと考えを止めた。
ひっかかったことが、あったのだ。
魔族自身は、蝕が始まったことを気づくことが出来ない、という事実を。
では、何故。
何故鎧は、それに気づくことが出来るのか。
真理は、目を細めた。
鎧を形作るものの中に、蝕に関する情報があるから、という仮定が頭を掠めたのだ。
それが、これだというのか。
鎧の中に──涙自身を封じ込めたというのか!?


