極東4th

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「いたっ…」

 早紀は、強い頭痛を覚えた。

 いや、痛いのは頭ではない。

 額、だ。

 あ。

 光に、見られた気がした。

 あの鎧の形をしたようなものが、自分を見たから──額が痛んだのだろうか。

 まるで、早紀を呼ぶように。

「呼ぶ、っていうよりは…挑発してるみたいよね」

 早紀の思考を、貴沙が別の表現で表した。

 痛みも、彼女と共有しているのだ。

「どうするの? 行くの?」

 早紀と、そして真理に問いかける声。

 彼は、一度周囲を軽く見渡した。

「それしか、道はないようだ」

 真理の決断は早かった。

 彼は、無理やり止められた空中から逃れるように、光の方へと飛び始めたのだ。

 あっ。

 心の準備が出来ていないのは早紀だ。

 慌てて、彼にしがみつく。

「いい度胸じゃない」

 貴沙は、面白そうに笑う。

 お、おもしろくないー。

 とても彼女には、その感覚を共有できそうにはなかったが。

「鎧の男って奴、悪そうだけど強そうよ…これを面白がらずに何を面白がるっていうの!」

 勢いのよい真理の飛翔に、貴沙のテンションが跳ね上がっていくのが分かる。

 いままでなら。

 いままでの早紀なら、この状況を前にテンションを上げるなんて不可能だったろう。

 しかし。

 表と裏のように綺麗にくっついた貴沙が、すぐそこにいた。

 彼女のテンションが、わずかだが早紀に影響を与えている気がしたのだ。

 胸が、高鳴る。

 真理が、さっきよりも──少しだけ強く抱いてくれた。