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ここは、どこなのか。
真理は、蝕の涙の輝きを見ながら、それを考えていた。
空にある自然な涙とは思えなかった。
光を覆い尽くす闇の帯は、まるで涙を拘束するかのように取り巻いているのだから。
涙が、ここから逃げていかぬように。
「ねえ、あんたコレ知ってるでしょ?」
貴沙が、ぽつりと呟く。
腕に抱く彼女を見ると、その瞳は真理を見ているわけではなかった。
「え…ううん、涙ってことは分かるけど」
頭を振るのは、早紀だ。
同じ身体を持つ二人で、問答をしているのか。
「光ってることじゃないわよ」
貴沙は、顎をしっかりと光の方へと向ける。
真理もそれを追っていた。
「あの光の形よ」
闇の帯の中、放たれる光のせいで形は、はっきりとは分からない。
だが。
真理も早紀も、光が蝕の涙であるという事実のみに捕らわれていた。
形?
真理が目を細めようとした時。
「あっ!」
腕の中の、早紀が跳ねた。
「あっ! あっ! なんで? どうして?」
驚きと戸惑いが、あふれ出す声。
その手が、ぎゅっと真理の胸の辺りを握る。
早紀の顔が。
驚きの色をそのままに、ゆっくりと彼を見上げてきた。
「あれ…あの形……じゃない?」
唇は、うまく音を掴めず、空を切る。
だが、真理はその唇の形を見た。
オ・オ・イ
母音の形だ。
はっと。
真理は、もう一度光を直視した。
その形だと言われて見れば、そう見えないことはない。
まさか。
あれは。
あれは──鎧なのか?
ここは、どこなのか。
真理は、蝕の涙の輝きを見ながら、それを考えていた。
空にある自然な涙とは思えなかった。
光を覆い尽くす闇の帯は、まるで涙を拘束するかのように取り巻いているのだから。
涙が、ここから逃げていかぬように。
「ねえ、あんたコレ知ってるでしょ?」
貴沙が、ぽつりと呟く。
腕に抱く彼女を見ると、その瞳は真理を見ているわけではなかった。
「え…ううん、涙ってことは分かるけど」
頭を振るのは、早紀だ。
同じ身体を持つ二人で、問答をしているのか。
「光ってることじゃないわよ」
貴沙は、顎をしっかりと光の方へと向ける。
真理もそれを追っていた。
「あの光の形よ」
闇の帯の中、放たれる光のせいで形は、はっきりとは分からない。
だが。
真理も早紀も、光が蝕の涙であるという事実のみに捕らわれていた。
形?
真理が目を細めようとした時。
「あっ!」
腕の中の、早紀が跳ねた。
「あっ! あっ! なんで? どうして?」
驚きと戸惑いが、あふれ出す声。
その手が、ぎゅっと真理の胸の辺りを握る。
早紀の顔が。
驚きの色をそのままに、ゆっくりと彼を見上げてきた。
「あれ…あの形……じゃない?」
唇は、うまく音を掴めず、空を切る。
だが、真理はその唇の形を見た。
オ・オ・イ
母音の形だ。
はっと。
真理は、もう一度光を直視した。
その形だと言われて見れば、そう見えないことはない。
まさか。
あれは。
あれは──鎧なのか?


