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「一緒に…行かない?」
ようやく、言葉が生まれる。
早紀は、気が付いたら手を差し出していた。
真理の言葉で、明らかに温度を上げた瞳を、早紀はまっすぐに見る。
もう一人の自分。
真理の父親を愛していたのは驚きだが、その男の死にイデルグが関わっていたかもしれないというのだ。
その疑惑が、貴沙の心をかきたてているようだった。
早紀と一緒にくれば、未来のイデルグに会うことは出来る。
それが、どんな形になるのかは分からないが。
「……」
貴沙は黙り込んだ。
そして、一度だけちらと、葵の方へと視線を馳せるのである。
「大丈夫よ…貴沙」
葵は、小さく笑った。
「未来の私はまだ生きているもの…あなたが来るのを、生きて待っているもの」
向こうで、待ってるわ。
早紀の目に、不思議な愛の形が見えた。
女二人。
お互いの伸ばした指先を、一瞬だけ触れあわせて離すだけの接触。
そうするなり。
貴沙は、視線と身体をまっすぐに早紀に向けるのだ。
全てを断ち切ったように。
「どこへでもいくわよ」
そして、大上段に構えて、早紀を睨み下ろすのである。
圧倒されるほど、イキのいい魔女だ。
早紀は、その圧倒に苦笑しながら──真理を一度振り返った。
彼の視線が、瞼によって軽く伏せられる。
行って来い。
そう言われている気がした。
前を向き直る。
貴沙は、ずっと握りしめていた片方の手を開く。
「これが、役に立つんじゃない?」
虹色の、海の珠。
彼女の運命を変え、早紀を作りだした海の宝。
どう役に立つかは分からなかったけれど、早紀はもう一度彼女に向けて手を差し出す。
貴沙は、珠を指で支えたまま、その手を差し出してくる。
重ねる。
珠が手のひらに食い込んで痛いほど強く──握り合った。
「一緒に…行かない?」
ようやく、言葉が生まれる。
早紀は、気が付いたら手を差し出していた。
真理の言葉で、明らかに温度を上げた瞳を、早紀はまっすぐに見る。
もう一人の自分。
真理の父親を愛していたのは驚きだが、その男の死にイデルグが関わっていたかもしれないというのだ。
その疑惑が、貴沙の心をかきたてているようだった。
早紀と一緒にくれば、未来のイデルグに会うことは出来る。
それが、どんな形になるのかは分からないが。
「……」
貴沙は黙り込んだ。
そして、一度だけちらと、葵の方へと視線を馳せるのである。
「大丈夫よ…貴沙」
葵は、小さく笑った。
「未来の私はまだ生きているもの…あなたが来るのを、生きて待っているもの」
向こうで、待ってるわ。
早紀の目に、不思議な愛の形が見えた。
女二人。
お互いの伸ばした指先を、一瞬だけ触れあわせて離すだけの接触。
そうするなり。
貴沙は、視線と身体をまっすぐに早紀に向けるのだ。
全てを断ち切ったように。
「どこへでもいくわよ」
そして、大上段に構えて、早紀を睨み下ろすのである。
圧倒されるほど、イキのいい魔女だ。
早紀は、その圧倒に苦笑しながら──真理を一度振り返った。
彼の視線が、瞼によって軽く伏せられる。
行って来い。
そう言われている気がした。
前を向き直る。
貴沙は、ずっと握りしめていた片方の手を開く。
「これが、役に立つんじゃない?」
虹色の、海の珠。
彼女の運命を変え、早紀を作りだした海の宝。
どう役に立つかは分からなかったけれど、早紀はもう一度彼女に向けて手を差し出す。
貴沙は、珠を指で支えたまま、その手を差し出してくる。
重ねる。
珠が手のひらに食い込んで痛いほど強く──握り合った。


