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「いやよ…あんたとひとつなんかにならないわよ」
貴沙は、ホウキを握りしめたまま、早紀をこばむ。
早紀は、足を止めた。
彼女がこばんでいる限り、ひとつにはなれないのだ。
しかし、言葉を取り戻していない早紀は、どう説得していいか分からなかった。
ただ。
葵が、視界に入った。
彼女と目が合った瞬間。
葵は、貴沙のホウキを両手で掴んだのだ。
「ちょっ!」
そのままホウキを取り上げようとする葵に、魔女は抵抗する。
「あの子とひとつになって、貴沙!」
悲痛なほど、必至な声だった。
「何バカなこと言ってんのよ! ふざけないで!」
貴沙の声は、ヒステリックに跳ね上がる。
ホウキを挟んで、激しい攻防が起きていた。
さっきまで、楽に跳ね飛ばされていた葵が、今度ばかりはホウキから手を離さない。
立っていられなくなって、床に引きずられるようになって尚、そのホウキにしがみつくのだ。
貴沙が、それに乗って遠くへ逃げてしまわないように。
「だって…だって貴沙は消えたのよ…消えたからあの子がいるのよ!」
ボロボロになりながら、葵はおかっぱの頭を持ち上げる。
言葉に、ホウキを奪い返そうとする動きが止まった。
まだ、その目には迷いがある。
信じ切れていないのか、信じたくないのか。
その瞳が──真理を睨むように一度見た。
そして。
明らかに目の色を変える。
「ああ…そう…カシュメル…そう」
何を、暴いたのか。
カシュメルの人間であることそのものに、貴沙は衝撃を受けているように思えた。
「代替わりしたんだ…あの人、イデルグの奴に殺されたの?」
ぴくりと。
早紀の後方で──気配が動いた。
「いやよ…あんたとひとつなんかにならないわよ」
貴沙は、ホウキを握りしめたまま、早紀をこばむ。
早紀は、足を止めた。
彼女がこばんでいる限り、ひとつにはなれないのだ。
しかし、言葉を取り戻していない早紀は、どう説得していいか分からなかった。
ただ。
葵が、視界に入った。
彼女と目が合った瞬間。
葵は、貴沙のホウキを両手で掴んだのだ。
「ちょっ!」
そのままホウキを取り上げようとする葵に、魔女は抵抗する。
「あの子とひとつになって、貴沙!」
悲痛なほど、必至な声だった。
「何バカなこと言ってんのよ! ふざけないで!」
貴沙の声は、ヒステリックに跳ね上がる。
ホウキを挟んで、激しい攻防が起きていた。
さっきまで、楽に跳ね飛ばされていた葵が、今度ばかりはホウキから手を離さない。
立っていられなくなって、床に引きずられるようになって尚、そのホウキにしがみつくのだ。
貴沙が、それに乗って遠くへ逃げてしまわないように。
「だって…だって貴沙は消えたのよ…消えたからあの子がいるのよ!」
ボロボロになりながら、葵はおかっぱの頭を持ち上げる。
言葉に、ホウキを奪い返そうとする動きが止まった。
まだ、その目には迷いがある。
信じ切れていないのか、信じたくないのか。
その瞳が──真理を睨むように一度見た。
そして。
明らかに目の色を変える。
「ああ…そう…カシュメル…そう」
何を、暴いたのか。
カシュメルの人間であることそのものに、貴沙は衝撃を受けているように思えた。
「代替わりしたんだ…あの人、イデルグの奴に殺されたの?」
ぴくりと。
早紀の後方で──気配が動いた。


