「また…気持ち悪いのが来たわね」
貴沙は、自分を支えようとする葵を払いのけて、しっかりと二本の足を踏みしめる。
その姿を、真理さえも、多少不思議な気持ちで見ていたのだ。
さっきは、早紀を引きはがすことを最優先にしていたため、じっくり見てはいなかった。
これが、早紀の元となった魔女なのだ、と。
悪趣味なことをする。
真理は、視線だけをしばし斜め上に向けた。
そこにいるはずもない、鎧に対しての一睨みだ。
元は同じものを二つ並べて、どうしたいというのか。
どちらかが死んでも、いい結果にはならないだろうに。
「……」
そうか。
そして、ふと自分が考えついたことに──自分で驚くこととなる。
とても、魔族らしくないものに感じたからだ。
ここに二人揃っているというのならば、と。
早紀と貴沙が、別々にいるというのなら。
もう一つ、やり方があるのではないか、と。
「早紀…」
支えた身体に向けて、真理は声をかけた。
自ら立ち向かい続けようとする貴沙の前で、すがらずにはいられない女がいる。
その彼女を支える手に、少しだけ力を込めた。
びくっと、早紀がそれに反応する。
「殺す以外の方法が……ある」
本当は、それが可能なのかは分からない。
だが、可能かどうかは考える必要はないのだ。
ただ。
ただ早紀が、その選択を自ら選べるかどうか、という事だけ。
振り返らないままの彼女を奮い立たせるように、真理はもう少し支える手に力を増やす。
「受け入れて…ひとつになることだ」
刹那。
腕の中の肉体は──石のごとく固くなった。
貴沙は、自分を支えようとする葵を払いのけて、しっかりと二本の足を踏みしめる。
その姿を、真理さえも、多少不思議な気持ちで見ていたのだ。
さっきは、早紀を引きはがすことを最優先にしていたため、じっくり見てはいなかった。
これが、早紀の元となった魔女なのだ、と。
悪趣味なことをする。
真理は、視線だけをしばし斜め上に向けた。
そこにいるはずもない、鎧に対しての一睨みだ。
元は同じものを二つ並べて、どうしたいというのか。
どちらかが死んでも、いい結果にはならないだろうに。
「……」
そうか。
そして、ふと自分が考えついたことに──自分で驚くこととなる。
とても、魔族らしくないものに感じたからだ。
ここに二人揃っているというのならば、と。
早紀と貴沙が、別々にいるというのなら。
もう一つ、やり方があるのではないか、と。
「早紀…」
支えた身体に向けて、真理は声をかけた。
自ら立ち向かい続けようとする貴沙の前で、すがらずにはいられない女がいる。
その彼女を支える手に、少しだけ力を込めた。
びくっと、早紀がそれに反応する。
「殺す以外の方法が……ある」
本当は、それが可能なのかは分からない。
だが、可能かどうかは考える必要はないのだ。
ただ。
ただ早紀が、その選択を自ら選べるかどうか、という事だけ。
振り返らないままの彼女を奮い立たせるように、真理はもう少し支える手に力を増やす。
「受け入れて…ひとつになることだ」
刹那。
腕の中の肉体は──石のごとく固くなった。


