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鎧が──笑った。
カタカタと震えるように、しかし真理には笑ったのだと分かった。
早紀のいなくなった抜け殻のそれは、彼を拒みながら彼を笑うのだ。
そして、分かった。
早紀の存在が消えた原因は、おそらく鎧のせいだ、と。
その兜の顔面を。
真理は、がしっと鷲掴む。
ふざけるな。
早紀は、非常に不安定だった。
真理に依存し、それでしか生きていられないという歪んだ状態で。
そんな早紀を、一体どこへ隠し込んだというのか。
『お前だろ?』
兜を掴んだ手のひら全体に伝わるように、音が響いた。
いや、音ではなかったのだろう。
しかし、意思を感じる振動。
その振動が、真理の骨をダイレクトに震わせるのだ。
まるで、音のように。
『お前が、あの女を絶望に突き落としたんだろ?』
「違う」
骨への震えを、彼は即座に否定した。
絶望に落としたかったわけではない。
依存のみの生という歪んだ糸を、切りたかっただけなのだ。
そんな感情を向けられるのが──嫌だった。
嫌悪、とは違う。
嫌悪ならば、真理は側にも寄せなかっただろう。
そうではなく、ただ嫌だったのだ。
『そうか?』
鎧は、笑う。
『それなら、助けに行くか?』
そして、奇妙なことを言った。
助けに。
まるで早紀が、危機に陥っているかのように。
『随分深いところまで落ちたから…一人では帰ってこれないだろうな』
鎧は。
本当に、おかしくて仕方がないように大笑いをしたのだった。
鎧が──笑った。
カタカタと震えるように、しかし真理には笑ったのだと分かった。
早紀のいなくなった抜け殻のそれは、彼を拒みながら彼を笑うのだ。
そして、分かった。
早紀の存在が消えた原因は、おそらく鎧のせいだ、と。
その兜の顔面を。
真理は、がしっと鷲掴む。
ふざけるな。
早紀は、非常に不安定だった。
真理に依存し、それでしか生きていられないという歪んだ状態で。
そんな早紀を、一体どこへ隠し込んだというのか。
『お前だろ?』
兜を掴んだ手のひら全体に伝わるように、音が響いた。
いや、音ではなかったのだろう。
しかし、意思を感じる振動。
その振動が、真理の骨をダイレクトに震わせるのだ。
まるで、音のように。
『お前が、あの女を絶望に突き落としたんだろ?』
「違う」
骨への震えを、彼は即座に否定した。
絶望に落としたかったわけではない。
依存のみの生という歪んだ糸を、切りたかっただけなのだ。
そんな感情を向けられるのが──嫌だった。
嫌悪、とは違う。
嫌悪ならば、真理は側にも寄せなかっただろう。
そうではなく、ただ嫌だったのだ。
『そうか?』
鎧は、笑う。
『それなら、助けに行くか?』
そして、奇妙なことを言った。
助けに。
まるで早紀が、危機に陥っているかのように。
『随分深いところまで落ちたから…一人では帰ってこれないだろうな』
鎧は。
本当に、おかしくて仕方がないように大笑いをしたのだった。


