「何言ってるの? 頭大丈夫?」
貴沙は、まったく取り合う様子はない。
珠を握る手を解く様子もなく、立ち上がった早紀を真っ向から睨みつける。
「あなた、いまからその珠を飲むんでしょ?」
早紀は、彼女の手元へと視線を落とした。
知っている。
「飲むと…力が裏返る。そう思ってるんでしょ?」
知っていることを貴沙に告げることが、一体何につながるか──そんな後のことは考えもしないで、早紀は言葉を続ける。
貴沙の目に、前以上の警戒を感じた。
だが、その警戒が戸惑いに変わる。
ああ、そうか。
そう。
彼女の能力は、『暴き』。
おそらく、早紀を暴こうとしたのだ。
暴けなかったのか、暴いたのか。
その結果など、どちらでもいい。
どちらにせよ、貴沙は戸惑わざるを得ないのだ。
暴けなかった事実か、暴いた内容か。
暴けたのなら、こんなに滑稽なことはない。
早紀を暴いたところで、結局は自分だと思い知るだけなのだから。
「それを飲んだら…こうなるのよ」
彼女は、笑いながら両手を広げた。
自分をよく見せたのだ。
美しくもなく、華やかでもない──ヒキガエルの自分を。
「能力は裏返ったわ…でも、魔力そのものは裏返らなかった」
貴沙が、一歩下がるのを見ながら、早紀は伝える。
そう。
伝えていたのだ。
自分でいたいと、どんなに逃げ回っただろう。
けれど、真理に守ってもらおうとすがりついて、憐れまれていることに気づいた。
結局──彼に、お姫様ではない、ヒキガエルの姿を鏡で見せられてしまったのだ。
真理の目を、思い出す。
ああ、そうか。
お姫様として、見て欲しかったのだ、自分は。
涙が。
あふれた。
貴沙は、まったく取り合う様子はない。
珠を握る手を解く様子もなく、立ち上がった早紀を真っ向から睨みつける。
「あなた、いまからその珠を飲むんでしょ?」
早紀は、彼女の手元へと視線を落とした。
知っている。
「飲むと…力が裏返る。そう思ってるんでしょ?」
知っていることを貴沙に告げることが、一体何につながるか──そんな後のことは考えもしないで、早紀は言葉を続ける。
貴沙の目に、前以上の警戒を感じた。
だが、その警戒が戸惑いに変わる。
ああ、そうか。
そう。
彼女の能力は、『暴き』。
おそらく、早紀を暴こうとしたのだ。
暴けなかったのか、暴いたのか。
その結果など、どちらでもいい。
どちらにせよ、貴沙は戸惑わざるを得ないのだ。
暴けなかった事実か、暴いた内容か。
暴けたのなら、こんなに滑稽なことはない。
早紀を暴いたところで、結局は自分だと思い知るだけなのだから。
「それを飲んだら…こうなるのよ」
彼女は、笑いながら両手を広げた。
自分をよく見せたのだ。
美しくもなく、華やかでもない──ヒキガエルの自分を。
「能力は裏返ったわ…でも、魔力そのものは裏返らなかった」
貴沙が、一歩下がるのを見ながら、早紀は伝える。
そう。
伝えていたのだ。
自分でいたいと、どんなに逃げ回っただろう。
けれど、真理に守ってもらおうとすがりついて、憐れまれていることに気づいた。
結局──彼に、お姫様ではない、ヒキガエルの姿を鏡で見せられてしまったのだ。
真理の目を、思い出す。
ああ、そうか。
お姫様として、見て欲しかったのだ、自分は。
涙が。
あふれた。


