「待ってたぜ」
鎧の男が、立っている。
ついさっき会ったばかりの相手が、そこにいる。
しかし、雰囲気が違った。
現実の狂気を引きずったまま、早紀はその足元に座り込んでいて。
ただ、ぜいぜいと息を繰り返す。
「さあ…これでもっと俺の影響が大きくなる…戦ってこい」
そんなボロボロの早紀に、彼は戦えというのだ。
一体何と。
考える間もなく、早紀は叩き落とされていた。
ついさっき体験した、あの光景の中に。
「誰か…いるの!?」
貴沙だ。
巡らされる視線。
その瞳の中に──早紀が映った。
「あ…」
声が、出た。
自分の身体が、はっきりとそこに『ある』ことを感じた。
「あんた…誰よ」
貴沙は、はっきりと自分を認識している。
そして、攻撃的に誰何してきた。
おかしい。
おかしいに決まっている。
だって、ここは夢の中なのだ。
そこで、昔話を聞かされていただけ。
それなのに、何故自分が認識されるのか。
「誰かって…聞いてるのよ」
珠をぎゅっと握り込んで、貴沙がベッドを下り、こちらに歩いてくる。
ずぶ濡れのまま。
葵も、自分を見つけたのだろう。
驚いた顔で早紀を見ている。
これは、何?
「人間? …いや、魔族ね…何をしにきたのよ」
問答無用に突き飛ばされる。
なすすべもなく、床に転がった。
痛かった。
鎧の男が、立っている。
ついさっき会ったばかりの相手が、そこにいる。
しかし、雰囲気が違った。
現実の狂気を引きずったまま、早紀はその足元に座り込んでいて。
ただ、ぜいぜいと息を繰り返す。
「さあ…これでもっと俺の影響が大きくなる…戦ってこい」
そんなボロボロの早紀に、彼は戦えというのだ。
一体何と。
考える間もなく、早紀は叩き落とされていた。
ついさっき体験した、あの光景の中に。
「誰か…いるの!?」
貴沙だ。
巡らされる視線。
その瞳の中に──早紀が映った。
「あ…」
声が、出た。
自分の身体が、はっきりとそこに『ある』ことを感じた。
「あんた…誰よ」
貴沙は、はっきりと自分を認識している。
そして、攻撃的に誰何してきた。
おかしい。
おかしいに決まっている。
だって、ここは夢の中なのだ。
そこで、昔話を聞かされていただけ。
それなのに、何故自分が認識されるのか。
「誰かって…聞いてるのよ」
珠をぎゅっと握り込んで、貴沙がベッドを下り、こちらに歩いてくる。
ずぶ濡れのまま。
葵も、自分を見つけたのだろう。
驚いた顔で早紀を見ている。
これは、何?
「人間? …いや、魔族ね…何をしにきたのよ」
問答無用に突き飛ばされる。
なすすべもなく、床に転がった。
痛かった。


