目が覚めたら、自分のベッドの上だった。
パジャマを着ているのは、きっと真理が使用人の誰かに命じたにちがいない。
彼自身が、そんな甲斐甲斐しい真似は、絶対にしないだろうから。
乙女らしい、自分の裸の行方よりも。
鎧ねぇ。
さっき帰ってきた世界のことを、早紀は噛み締めてみた。
まだ、よく分かっていない。
ベッドの上に座ったまま、早紀は両手を広げてみたが、生身となんら変わりがない。
「おはよう、お母さん…私、鎧になったんだって」
枕元の、母の写真に語り掛けてみる。
早紀が魔女だというのなら、母だって多分そうだったのだろう。
しかし、とても魔女には見えない笑顔に、肩をすくめながらベッドを降りる。
事件は。
洗面所で起きた。
早紀は、いつものように顔を洗おうと思っていたのだ。
こんがらがったままの頭で考え事をしながら、半ば意識せずにいつもの作業を行った。
タオルで顔を拭き、洗面所から立ち去りかけた時。
「ん?」
早紀は、違和感に足を止めた。
何か。
何か、今、見えたのだ。
おそるおそる、早紀は洗面所を振り返った。
正確に言うと、鏡を見たのだ。
見間違い、ではなかった。
前髪を、がばっと持ち上げてみる。
鏡の中の早紀の――額。
そこには。
赤紫の、丸に似た記号が描かれていたのだ。
「ええーっ!?」
何回洗っても、取れなかった。
パジャマを着ているのは、きっと真理が使用人の誰かに命じたにちがいない。
彼自身が、そんな甲斐甲斐しい真似は、絶対にしないだろうから。
乙女らしい、自分の裸の行方よりも。
鎧ねぇ。
さっき帰ってきた世界のことを、早紀は噛み締めてみた。
まだ、よく分かっていない。
ベッドの上に座ったまま、早紀は両手を広げてみたが、生身となんら変わりがない。
「おはよう、お母さん…私、鎧になったんだって」
枕元の、母の写真に語り掛けてみる。
早紀が魔女だというのなら、母だって多分そうだったのだろう。
しかし、とても魔女には見えない笑顔に、肩をすくめながらベッドを降りる。
事件は。
洗面所で起きた。
早紀は、いつものように顔を洗おうと思っていたのだ。
こんがらがったままの頭で考え事をしながら、半ば意識せずにいつもの作業を行った。
タオルで顔を拭き、洗面所から立ち去りかけた時。
「ん?」
早紀は、違和感に足を止めた。
何か。
何か、今、見えたのだ。
おそるおそる、早紀は洗面所を振り返った。
正確に言うと、鏡を見たのだ。
見間違い、ではなかった。
前髪を、がばっと持ち上げてみる。
鏡の中の早紀の――額。
そこには。
赤紫の、丸に似た記号が描かれていたのだ。
「ええーっ!?」
何回洗っても、取れなかった。


