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学校にも行かず、早紀は自室でぼんやりしていた。
自堕落にベッドで横になったまま。
だが、この部屋には地雷がある。
彼女は、さっきからその地雷を踏んでいた。
そう。
母──葵の写真だ。
いや、もう母親ではない。
貴沙の友達。
そう思うと、見てはしまうのに、まともに顔を見つめられない。
そういえば。
この写真に映っているのは、葵だけだ。
小さな早紀と、一緒に写っている写真ではない。
満面に笑っている顔。
これは、誰に向けられた笑顔だったのか。
そもそも何故、自分はこの写真をずっと持っていたのか。
小さかった早紀が、自分で写真が撮れるはずもない。
自分でアルバムを開けて、母の写真だけくすねてきた記憶もない。
なのに、この写真だけは早紀はずっと大事に持っていた。
ああ。
布団に顔をうずめる。
また、だ。
また、自分が早紀ではなくなっていく。
この写真は、きっと葵が持たせたものだ。
いつか早紀の呪いが解けて貴沙に戻った時、自分を思い出してもらえるように。
一番、幸せそうに笑った自分を、戻った貴沙に見せたかったのだ。
早紀に、じゃない。
この笑顔は、彼女に向けられたものじゃない。
写真立てごと叩き割りたい気持ちがわきあがるが──出来ない。
出来ない出来ない出来ない。
貴沙の残した呪いがあるとするならば、それはこの衝動的な愛情。
この呪縛がある限り、彼女はこの写真を見続けなければならないのだ。
そんな、一人苦しむ早紀の部屋が。
ノックもなしに、不躾にドアが開かれる。
驚いて顔を上げると。
そこには──冷気を漂わせた真理がいた。
学校にも行かず、早紀は自室でぼんやりしていた。
自堕落にベッドで横になったまま。
だが、この部屋には地雷がある。
彼女は、さっきからその地雷を踏んでいた。
そう。
母──葵の写真だ。
いや、もう母親ではない。
貴沙の友達。
そう思うと、見てはしまうのに、まともに顔を見つめられない。
そういえば。
この写真に映っているのは、葵だけだ。
小さな早紀と、一緒に写っている写真ではない。
満面に笑っている顔。
これは、誰に向けられた笑顔だったのか。
そもそも何故、自分はこの写真をずっと持っていたのか。
小さかった早紀が、自分で写真が撮れるはずもない。
自分でアルバムを開けて、母の写真だけくすねてきた記憶もない。
なのに、この写真だけは早紀はずっと大事に持っていた。
ああ。
布団に顔をうずめる。
また、だ。
また、自分が早紀ではなくなっていく。
この写真は、きっと葵が持たせたものだ。
いつか早紀の呪いが解けて貴沙に戻った時、自分を思い出してもらえるように。
一番、幸せそうに笑った自分を、戻った貴沙に見せたかったのだ。
早紀に、じゃない。
この笑顔は、彼女に向けられたものじゃない。
写真立てごと叩き割りたい気持ちがわきあがるが──出来ない。
出来ない出来ない出来ない。
貴沙の残した呪いがあるとするならば、それはこの衝動的な愛情。
この呪縛がある限り、彼女はこの写真を見続けなければならないのだ。
そんな、一人苦しむ早紀の部屋が。
ノックもなしに、不躾にドアが開かれる。
驚いて顔を上げると。
そこには──冷気を漂わせた真理がいた。


