極東4th

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「こんばんは…あなた魔女ね」

 大きな屋敷の窓辺。

 おかっぱの女が、嬉しそうに見上げてくる。

 レトロなホウキの上に横座りしたまま、貴沙は空中から女を見下ろしていた。

 それが──出会い。

 葵は、オカルト好きな変な女だった。

 毎日、あの手この手で、魔の者を呼びだそうとしていたのだ。

 偶然に偶然が重なって、その一つが成功した。

 たまたま近くを飛んでいた、貴沙がそれに反応したのである。

 無視出来ないことはなかったが、好奇心からふらりと近づいた。

 ぷい、と無視して彼女は飛び去った。

 面白いと思えなかったのだ。

 その後、また近くを飛んでいる時に、稚拙な人間の召喚を感じた。

 ちょうど、貴沙はムシャクシャしていた。

 だから、あの人間に悪さでもしてやろうと思ったのだ。

 うかつに魔女なんかを呼ぼうとすると、ひどい目にあうと──それを教えてあげるのよ。

 そうしたら。

 先客がいた。

「あなた、悪魔ね!」

 あのオカルト馬鹿女は、下級魔族を部屋に引っ張り込もうとしていた。

 運の悪いことに、同じ学校の同じロークラスの魔族で。

 だいっ嫌いな奴だった。

 むしゃくしゃに、更なるムカっぱらが上乗せされ。

「はぁい…そこのハエもどき、アタシの獲物を横取りするのはやめてねー」

 ホウキに乗ったまま、奴の後頭部にアタックをかけたのだった。

「ぐえぼっ!!」

 こんな一撃を簡単に食らうから、ハエもどきで十分だ。

 魔族の中でうだつが上がらないから、人間なんぞをいたぶってウサを晴らそうとしていたに違いない。

 貴沙は、自分が何故ここに来たのか、その理由を軽く棚上げしながら、邪魔者を追い払おうとした。

「お前! 貴沙!」

 ハエのくせに、反撃に出ようとする魔族に向かって。

 彼女は、ホウキの上から、更に大上段の視線で見下ろした。

「…暴くわよ」

 それが貴沙の──殺し文句。