---
「こんばんは…あなた魔女ね」
大きな屋敷の窓辺。
おかっぱの女が、嬉しそうに見上げてくる。
レトロなホウキの上に横座りしたまま、貴沙は空中から女を見下ろしていた。
それが──出会い。
葵は、オカルト好きな変な女だった。
毎日、あの手この手で、魔の者を呼びだそうとしていたのだ。
偶然に偶然が重なって、その一つが成功した。
たまたま近くを飛んでいた、貴沙がそれに反応したのである。
無視出来ないことはなかったが、好奇心からふらりと近づいた。
ぷい、と無視して彼女は飛び去った。
面白いと思えなかったのだ。
その後、また近くを飛んでいる時に、稚拙な人間の召喚を感じた。
ちょうど、貴沙はムシャクシャしていた。
だから、あの人間に悪さでもしてやろうと思ったのだ。
うかつに魔女なんかを呼ぼうとすると、ひどい目にあうと──それを教えてあげるのよ。
そうしたら。
先客がいた。
「あなた、悪魔ね!」
あのオカルト馬鹿女は、下級魔族を部屋に引っ張り込もうとしていた。
運の悪いことに、同じ学校の同じロークラスの魔族で。
だいっ嫌いな奴だった。
むしゃくしゃに、更なるムカっぱらが上乗せされ。
「はぁい…そこのハエもどき、アタシの獲物を横取りするのはやめてねー」
ホウキに乗ったまま、奴の後頭部にアタックをかけたのだった。
「ぐえぼっ!!」
こんな一撃を簡単に食らうから、ハエもどきで十分だ。
魔族の中でうだつが上がらないから、人間なんぞをいたぶってウサを晴らそうとしていたに違いない。
貴沙は、自分が何故ここに来たのか、その理由を軽く棚上げしながら、邪魔者を追い払おうとした。
「お前! 貴沙!」
ハエのくせに、反撃に出ようとする魔族に向かって。
彼女は、ホウキの上から、更に大上段の視線で見下ろした。
「…暴くわよ」
それが貴沙の──殺し文句。
「こんばんは…あなた魔女ね」
大きな屋敷の窓辺。
おかっぱの女が、嬉しそうに見上げてくる。
レトロなホウキの上に横座りしたまま、貴沙は空中から女を見下ろしていた。
それが──出会い。
葵は、オカルト好きな変な女だった。
毎日、あの手この手で、魔の者を呼びだそうとしていたのだ。
偶然に偶然が重なって、その一つが成功した。
たまたま近くを飛んでいた、貴沙がそれに反応したのである。
無視出来ないことはなかったが、好奇心からふらりと近づいた。
ぷい、と無視して彼女は飛び去った。
面白いと思えなかったのだ。
その後、また近くを飛んでいる時に、稚拙な人間の召喚を感じた。
ちょうど、貴沙はムシャクシャしていた。
だから、あの人間に悪さでもしてやろうと思ったのだ。
うかつに魔女なんかを呼ぼうとすると、ひどい目にあうと──それを教えてあげるのよ。
そうしたら。
先客がいた。
「あなた、悪魔ね!」
あのオカルト馬鹿女は、下級魔族を部屋に引っ張り込もうとしていた。
運の悪いことに、同じ学校の同じロークラスの魔族で。
だいっ嫌いな奴だった。
むしゃくしゃに、更なるムカっぱらが上乗せされ。
「はぁい…そこのハエもどき、アタシの獲物を横取りするのはやめてねー」
ホウキに乗ったまま、奴の後頭部にアタックをかけたのだった。
「ぐえぼっ!!」
こんな一撃を簡単に食らうから、ハエもどきで十分だ。
魔族の中でうだつが上がらないから、人間なんぞをいたぶってウサを晴らそうとしていたに違いない。
貴沙は、自分が何故ここに来たのか、その理由を軽く棚上げしながら、邪魔者を追い払おうとした。
「お前! 貴沙!」
ハエのくせに、反撃に出ようとする魔族に向かって。
彼女は、ホウキの上から、更に大上段の視線で見下ろした。
「…暴くわよ」
それが貴沙の──殺し文句。


