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『彼女は、本当は貴沙という魔女だ。我らが宝の珠の力で、今の姿に生まれ変わってしまっただけ』
門の向こうの海族は、そう言った。
早紀は、本当は違う生き物なのだと。
『この人間の女性が、生き証人だ。彼女の目の前で、貴沙という魔女は珠を飲んだ』
腕の中には、早紀の育ての母。
『殺さずに、珠を取り出す方法が分かった…それがお互いのためになると思わないか?』
思わないな。
真理は、自分にしがみついて泣きじやくる早紀を抱いたまま、病室の三人を見下ろした。
弱すぎる人間。
力の謎を追い過ぎた魔女。
目障りな海族。
この三人は、早紀の一番深い秘密を知っている。
片手で早紀の身体を支えながら、もう片方の手で彼女の額をなぞった。
この三人は――殺さなければならない。
真昼の、変化。
腕の中の早紀が、魔気に包まれる。
その腕から飲み込むように、真理は彼女の中に取り込まれた。
瞬間、鎧ごしに彼が見たものは。
ベッドの上の人間を抱えて、走り去る海族と。
駆け込んできた別の魔族。
タミに似た顔の、制服の男。
魔力は、魔族には効かない。
だが。
圧倒的な鎧の力は、別だ。
刀は、特に。
魔力で増幅しているとは言え、物理の力もある。
たとえ二人になろうとも、抗えはしない。
「そこまで…だよ」
抜きかけた刀を、真理は止めさせられた。
後ろ、だ。
空中の真理の、更に後ろ。
聞き覚えのある声に、彼は振り返らざるを得なかった。
「同族殺しは、証拠が残らないようにやらないと…後が面倒だろ?」
ひとつ目の鎧。
トゥーイだった。
『彼女は、本当は貴沙という魔女だ。我らが宝の珠の力で、今の姿に生まれ変わってしまっただけ』
門の向こうの海族は、そう言った。
早紀は、本当は違う生き物なのだと。
『この人間の女性が、生き証人だ。彼女の目の前で、貴沙という魔女は珠を飲んだ』
腕の中には、早紀の育ての母。
『殺さずに、珠を取り出す方法が分かった…それがお互いのためになると思わないか?』
思わないな。
真理は、自分にしがみついて泣きじやくる早紀を抱いたまま、病室の三人を見下ろした。
弱すぎる人間。
力の謎を追い過ぎた魔女。
目障りな海族。
この三人は、早紀の一番深い秘密を知っている。
片手で早紀の身体を支えながら、もう片方の手で彼女の額をなぞった。
この三人は――殺さなければならない。
真昼の、変化。
腕の中の早紀が、魔気に包まれる。
その腕から飲み込むように、真理は彼女の中に取り込まれた。
瞬間、鎧ごしに彼が見たものは。
ベッドの上の人間を抱えて、走り去る海族と。
駆け込んできた別の魔族。
タミに似た顔の、制服の男。
魔力は、魔族には効かない。
だが。
圧倒的な鎧の力は、別だ。
刀は、特に。
魔力で増幅しているとは言え、物理の力もある。
たとえ二人になろうとも、抗えはしない。
「そこまで…だよ」
抜きかけた刀を、真理は止めさせられた。
後ろ、だ。
空中の真理の、更に後ろ。
聞き覚えのある声に、彼は振り返らざるを得なかった。
「同族殺しは、証拠が残らないようにやらないと…後が面倒だろ?」
ひとつ目の鎧。
トゥーイだった。


