二人に噛まれた額。
その意味を、早紀が考えようとした時。
カタッ。
小さな音が、生まれた。
あっと。
早紀は、顔を上げる。
まさか、と。
まだ、夢の中。
鎧の男を見たのだ。
「早いな…」
彼の声は――歓喜の響き。
声にかぶってゆくのは、鎧が震える歌。
こんな日に。
自分の弱さを見て、真理の馬鹿な行動を見た日に、蝕が来るなんて。
や、やだ。
早紀は、恐れた。
いま、この気持ちなまま、真理とひとつになりたくなかったのだ。
あの心地よい感覚に、溺れたくなかった。
溺れてしまったら、早紀が真理に依存してしまう。
そうしたら、自分はきっと彼からの好意を願ってしまうのだ。
いま、消し去ろうとしているそれに、みっともなくしがみつく。
それは…いや。
懇願する目で、鎧の男を見てしまった。
だが。
「ダメだ」
喜びに、うち震える声。
この幸せを、彼は絶対に手放さない。
「さあ…いけ」
指が。
彼の指が、早紀の額に伸びる。
二人に傷つけられたそこを、容赦なくなぞった。
目覚めは、痛みの残り香と共に。
目の前には、真理の部屋。
身体の中には、鎧の喜びと興奮が燃え盛る。
あぁ。
扉を開ける自分を、止められない。
いやなのに。
鎧になるのは、いやなのに。
バァンッ!
開け放った早紀。
飛び起きる真理。
身体の中の鎧が、こう言う。
彼と――ひとつにならなければならない。
その意味を、早紀が考えようとした時。
カタッ。
小さな音が、生まれた。
あっと。
早紀は、顔を上げる。
まさか、と。
まだ、夢の中。
鎧の男を見たのだ。
「早いな…」
彼の声は――歓喜の響き。
声にかぶってゆくのは、鎧が震える歌。
こんな日に。
自分の弱さを見て、真理の馬鹿な行動を見た日に、蝕が来るなんて。
や、やだ。
早紀は、恐れた。
いま、この気持ちなまま、真理とひとつになりたくなかったのだ。
あの心地よい感覚に、溺れたくなかった。
溺れてしまったら、早紀が真理に依存してしまう。
そうしたら、自分はきっと彼からの好意を願ってしまうのだ。
いま、消し去ろうとしているそれに、みっともなくしがみつく。
それは…いや。
懇願する目で、鎧の男を見てしまった。
だが。
「ダメだ」
喜びに、うち震える声。
この幸せを、彼は絶対に手放さない。
「さあ…いけ」
指が。
彼の指が、早紀の額に伸びる。
二人に傷つけられたそこを、容赦なくなぞった。
目覚めは、痛みの残り香と共に。
目の前には、真理の部屋。
身体の中には、鎧の喜びと興奮が燃え盛る。
あぁ。
扉を開ける自分を、止められない。
いやなのに。
鎧になるのは、いやなのに。
バァンッ!
開け放った早紀。
飛び起きる真理。
身体の中の鎧が、こう言う。
彼と――ひとつにならなければならない。


