極東4th

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 タミが、ロークラスに来ていた。

 しかも、2年の。

 キョロキョロもせず、教室の入り口に突っ立っているのだ。

 早紀は、慌てて席を立った。

「な、何か?」

 とにかく、声を出す。

 するとその大きな瞳が、早紀の声を追って彼女を映した。

 やはり、自分に用事だったのか。

 わざわざ、ロークラスまで何故。

 そう、聞こうとするより先に、手を取られた。

「行きましょう」

 見失わないため、連れて行くため──両方の意味で、タミは手を取ったのだ。

「え? 行くってどこへ…」

 言葉は、『帰る』ではなかった。

 なのに、彼女はどんどんと階段を登ってゆく。

 どんどん、どんどん。

 高い塔を上るように、タミは上を目指すのだ。

 上?

 先は、階段の先にあるものを見定めようとした。

 あったのは。

 扉。

 その扉を開けるとそこは──雪国だった。

 じゃない!

 猛烈な吹雪の中だった。

 屋上らしいそこが、なぜいきなり吹雪いているのか。

 進みかけた足に、何かが当たる。

「……!」

 それは、大きな男だった。

 その名前を、そして早紀は知っていた。

 美濃だ。

 身体の半分ほどが、氷付けのような形で倒れている。

 目は、ギラギラと怒りに光っているが、要所を凍らされているらしく、もがくので精いっぱいのようだ。

 早紀は、はっと顔を吹雪の向こうに向けた。

 男が、二人立っている。

 一人は、とても大きい。

 美濃よりも、もっと。

 そしてもう一人の身体から──吹雪は生まれていた。