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真理は。
1年のハイクラスに来ていた。
最初に自分を見つけたのは、タミ。
一瞬だけ、怪訝を瞳に覗かせるが、近づいてもこなかった。
ただ。
彼女はその瞳を、室内へと向けるのだ。
窓際付近に立っている、大きな身体。
最初に目に留まったのは、甲斐の方だった。
丁度いい。
ツカツカと、その無駄なサイズの身体に歩み寄る。
甲斐の視線が、すぐに真理を映す。
「返事だ」
真理は──握り締めていた指を、開いた。
指の隙間から、小さな破片がゴミのように床に向けて落ちてゆく。
赤と黒のゴミ。
一度視線を下に向けた甲斐は、そのままゆっくりと彼に向けて上げる。
「これは、卿の返事ですよね」
早紀のではないと、そう言いたいのだろう。
それが。
「それが…どうかしたか?」
顎を軽く上げ、自分の視線が低いのも構わず、真理は見下す目をした。
たとえイデルグの息子であろうが、甲斐自身は明らかに彼よりも格下の身分だ。
真理には。
憎悪があった。
それを──隠さなかった。
冴え冴えとした憎悪を、隠すことなく甲斐にたたきつけたのだ。
パキッと、音がした。
甲斐の前髪に、氷の粒が絡みつきそこねて落ちた音だった。
瞬間。
目の前の甲斐の身体が、横に吹っ飛んだ。
吹っ飛ばしたのは、美濃の右腕。
その右腕は──見事に凍り付いていた。
「乱暴ですね…」
美濃が、腕を忌々しく見つめる。
すぐには砕けないのだ。
当たり前だ。
「それが…どうかしたか?」
簡単に砕ける氷になど、するはずがなかった。
真理は。
1年のハイクラスに来ていた。
最初に自分を見つけたのは、タミ。
一瞬だけ、怪訝を瞳に覗かせるが、近づいてもこなかった。
ただ。
彼女はその瞳を、室内へと向けるのだ。
窓際付近に立っている、大きな身体。
最初に目に留まったのは、甲斐の方だった。
丁度いい。
ツカツカと、その無駄なサイズの身体に歩み寄る。
甲斐の視線が、すぐに真理を映す。
「返事だ」
真理は──握り締めていた指を、開いた。
指の隙間から、小さな破片がゴミのように床に向けて落ちてゆく。
赤と黒のゴミ。
一度視線を下に向けた甲斐は、そのままゆっくりと彼に向けて上げる。
「これは、卿の返事ですよね」
早紀のではないと、そう言いたいのだろう。
それが。
「それが…どうかしたか?」
顎を軽く上げ、自分の視線が低いのも構わず、真理は見下す目をした。
たとえイデルグの息子であろうが、甲斐自身は明らかに彼よりも格下の身分だ。
真理には。
憎悪があった。
それを──隠さなかった。
冴え冴えとした憎悪を、隠すことなく甲斐にたたきつけたのだ。
パキッと、音がした。
甲斐の前髪に、氷の粒が絡みつきそこねて落ちた音だった。
瞬間。
目の前の甲斐の身体が、横に吹っ飛んだ。
吹っ飛ばしたのは、美濃の右腕。
その右腕は──見事に凍り付いていた。
「乱暴ですね…」
美濃が、腕を忌々しく見つめる。
すぐには砕けないのだ。
当たり前だ。
「それが…どうかしたか?」
簡単に砕ける氷になど、するはずがなかった。


