極東4th

 学校につき、早紀は自分の席についてなお、心は自分の内側に囚われていた。

 そうだ、最初は真理だったのだ。

 次が、鎧の男。

 早紀は、彼に好意を覚えかけた。

 真理よりも、鎧の男のそばにいたいと考えた。

 だが、それを彼は、早紀に拒ませた。

 ここは、ロクなものじゃないと、居座る場所ではないと突きつけたのだ。

 そしてその次が──伊瀬。

 彼だけは、何故か早紀を見つけることが出来た。

 理由は分からないが、彼女はどうやら伊瀬(あるいは海族)の近くにいると、能力を発揮できないらしい。

 それは、零子が応接室の早紀を、容易に見つけることが出来た事件で証明されている。

 そんな環境のせいもあるかもしれないが、伊瀬は彼女を見つけた。

 魔女と知ってなお、追ってきた。

 そして。

 好意に近い感情を覚えた。

 好意に近い感情をもらった。

 なのに。

 その好意の感情は、成立しなかった。

 種族の違い、母親のせい、相手の立場のせい。

 いろんなものが立ちふさがって、あの部屋が砕けた時のように、ぱぁんと割れて失われたのだ。

 結局。

 早紀には、真理だけが残ったのである。

 なんだ。

 彼女は、自分を好きになってくれる人を、フラフラと探している自分に気づいた。

 なんだ、そうか。

 私は。

 ただ、誰かに好かれたかったのか。

 は、はは…。

 唇を軽く開けるだけで、音のない乾いた笑いを浮かべる。

 教室の誰も、そんな早紀には気づかない。

 自分という生き物を認めた誰かに、好きだという感情を持って欲しかっただけなのだ。

 その相手がいま。

 真理しかいない、というだけ。

 何と高級な──残り物。