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鬱陶しい。
真理の中の不快と不機嫌は、その言葉へと名前を変貌させた。
早紀にまとわりつく、イデルグの双子だ。
簡単に振り払えない位置にいる二人だけに、苛立ちに似た感情が、彼の中に生れていた。
それは、自宅の前に積まれた花を見た時、最高潮に達する。
誰もいなければ、真理はこの花を一瞬にして冷凍し、粉々に砕いただろう。
しかし。
この花は、早紀に宛てられたもので、彼の一存でどうこうできるものではなかった。
いや。
出来ないわけではない。
だが、それをやることで、更に早紀との間に溝を穿ち、イデルグが入りやすくなると思うと、尚更苛立ちを覚えるのだ。
それもこれも、彼女が自分に対し、従順ではないからである。
真理は、早紀に対し従属を求めているのに、彼女は自分に対し対等を求めている。
最初から、噛みあうはずなどなかった。
花を無視して自室に入ったはいいが、真理のみぞおちにたまった苛立ちは、落ち着く様子はない。
早紀がまだ、あの花の山の前で足を止めているのかと思うと、更にひどくなっていく。
そんな早紀に、何か言う言葉が出来たわけでもないというのに。
みぞおちの苛立ちに憑き動かされ──真理は、部屋を出た。
そうしたら。
早紀が、既に廊下にいた。
一瞬、真理は安堵した自分に気づいた。
彼女は、さっさと花のそばを離れていたのだ。
だが、その直後。
安堵の感覚は、急転直下に突き落とされる。
彼女の手の中に。
あの花が一輪、握られていたのだ。
苛立ちが、大きく膨れ上がる。
真理が、これまで見たこともない生き物に進化していく。
その花を手にしたことによって、早紀がイデルグの好意を受け入れたように感じたのだ。
生き物の名前は、一番近しいものに例えるなら──殺意。
イデルグの双子を、存在そのものから消し去りたいと思う感情。
言うなれば。
とても、魔族らしい感情だった。
鬱陶しい。
真理の中の不快と不機嫌は、その言葉へと名前を変貌させた。
早紀にまとわりつく、イデルグの双子だ。
簡単に振り払えない位置にいる二人だけに、苛立ちに似た感情が、彼の中に生れていた。
それは、自宅の前に積まれた花を見た時、最高潮に達する。
誰もいなければ、真理はこの花を一瞬にして冷凍し、粉々に砕いただろう。
しかし。
この花は、早紀に宛てられたもので、彼の一存でどうこうできるものではなかった。
いや。
出来ないわけではない。
だが、それをやることで、更に早紀との間に溝を穿ち、イデルグが入りやすくなると思うと、尚更苛立ちを覚えるのだ。
それもこれも、彼女が自分に対し、従順ではないからである。
真理は、早紀に対し従属を求めているのに、彼女は自分に対し対等を求めている。
最初から、噛みあうはずなどなかった。
花を無視して自室に入ったはいいが、真理のみぞおちにたまった苛立ちは、落ち着く様子はない。
早紀がまだ、あの花の山の前で足を止めているのかと思うと、更にひどくなっていく。
そんな早紀に、何か言う言葉が出来たわけでもないというのに。
みぞおちの苛立ちに憑き動かされ──真理は、部屋を出た。
そうしたら。
早紀が、既に廊下にいた。
一瞬、真理は安堵した自分に気づいた。
彼女は、さっさと花のそばを離れていたのだ。
だが、その直後。
安堵の感覚は、急転直下に突き落とされる。
彼女の手の中に。
あの花が一輪、握られていたのだ。
苛立ちが、大きく膨れ上がる。
真理が、これまで見たこともない生き物に進化していく。
その花を手にしたことによって、早紀がイデルグの好意を受け入れたように感じたのだ。
生き物の名前は、一番近しいものに例えるなら──殺意。
イデルグの双子を、存在そのものから消し去りたいと思う感情。
言うなれば。
とても、魔族らしい感情だった。


