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馬鹿馬鹿しい。
イデルグ家の招待は、くだらないことだけだった。
ダシにされ、イデルグの当主からは、ありえない提案をされ、挙句、双子の片割れはフライングをかましていたのだ。
早紀に、不穏な魔力が近づいたことを、真理は感じていた。
イデルグと、話をしている時のことだ。
この屋敷は、極東1stのものである。
そんなところに、外部から不審者が入り込むとは考えづらかった。
その上、あの早紀を見つけた、ということだ。
かなり力のある魔族──イデルグの身内と考えるのが、妥当だった。
「その件は…お断りします」
当主の申し出を、真理は一言で切って捨てた。
一考にも値しなかったのだ。
答えながらも、軽く宙を探していた。
不穏な魔力の、出所を追うために。
「断るか…って、どこに行く気だ?」
彼の行動に、イデルグは不審な声をあげた。
真理が、ソファから立ち上がったのだ。
「あなたの息子のどちらかが、うちの憑き魔女に絡んでいるようです」
今日の彼の話を、息子たちに既にしているというのなら、早紀を探そうと思っても不思議ではない。
家督を争っている最中ならば、なおのこと、競争相手を出し抜きたいだろう。
「ああ、なるほど…それはアリだな」
面白そうに、イデルグが笑う。
少しの食い違いを感じた。
真理の言葉に反応したというよりは、自分の中の言葉に納得した、という風なのだ。
「たとえお前さんが断っても…魔女が断らない、という可能性もある、というわけだ」
ニヤニヤと、イデルグは笑う。
魔女という存在の不確定さを、誰よりも知っているといわんばかりのしたり顔で。
ああ。
真理は、忌々しくその言葉を理解した。
ああ、そうか、と。
最初から、イデルグはそのつもりだったのだ。
真理に話を通したのは、単なる形式。
最初から、双子を早紀にけしかけるつもりだったわけだ──彼女の心を、奪わせるために。
馬鹿馬鹿しい。
イデルグ家の招待は、くだらないことだけだった。
ダシにされ、イデルグの当主からは、ありえない提案をされ、挙句、双子の片割れはフライングをかましていたのだ。
早紀に、不穏な魔力が近づいたことを、真理は感じていた。
イデルグと、話をしている時のことだ。
この屋敷は、極東1stのものである。
そんなところに、外部から不審者が入り込むとは考えづらかった。
その上、あの早紀を見つけた、ということだ。
かなり力のある魔族──イデルグの身内と考えるのが、妥当だった。
「その件は…お断りします」
当主の申し出を、真理は一言で切って捨てた。
一考にも値しなかったのだ。
答えながらも、軽く宙を探していた。
不穏な魔力の、出所を追うために。
「断るか…って、どこに行く気だ?」
彼の行動に、イデルグは不審な声をあげた。
真理が、ソファから立ち上がったのだ。
「あなたの息子のどちらかが、うちの憑き魔女に絡んでいるようです」
今日の彼の話を、息子たちに既にしているというのなら、早紀を探そうと思っても不思議ではない。
家督を争っている最中ならば、なおのこと、競争相手を出し抜きたいだろう。
「ああ、なるほど…それはアリだな」
面白そうに、イデルグが笑う。
少しの食い違いを感じた。
真理の言葉に反応したというよりは、自分の中の言葉に納得した、という風なのだ。
「たとえお前さんが断っても…魔女が断らない、という可能性もある、というわけだ」
ニヤニヤと、イデルグは笑う。
魔女という存在の不確定さを、誰よりも知っているといわんばかりのしたり顔で。
ああ。
真理は、忌々しくその言葉を理解した。
ああ、そうか、と。
最初から、イデルグはそのつもりだったのだ。
真理に話を通したのは、単なる形式。
最初から、双子を早紀にけしかけるつもりだったわけだ──彼女の心を、奪わせるために。


