早紀が、複雑な気持ちのまま、晩餐の席に座っていると。
「…お子さんは?」
ずっと黙っていた真理が、するりと声を吐き出す。
冷気もないが、興味もない口ぶりだった。
興味もないのに聞くということは、話を別方向へそらそうという思惑があるのだろう。
早紀の母親や、出生の話をあまり蒸し返されたくないのだ。
それは彼女も同じだったので、話の行方が気になり、真理の声を追うように、イデルグの方を見た。
「ああ、三人いる。男は二人…双子だ」
ニヤリと、1stは笑う。
さすがは魔族である。
好きだった魔女に袖にされても、そのまま諦めきれずに操立てなど、するはずがなかった。
そのニヤリは、どこか本気で面白がっている顔である。
「…それは、お気の毒に」
真理は、やはり興味のない口調で、社交辞令的に返す。
お気の毒?
早紀は、意味が分からなかった。
双子。
「男が二人いるだけでも厄介なのに、双子だぞ…まあ、せいぜい殺しあってくれ、ってとこだ」
イデルグの笑いに、早紀は動きを一瞬止める。
何か、物凄い発言を聞いた気がしたのだ。
いやな理解が、彼女の頭に浸透していく。
そうか、と。
イデルグの息子ということは、彼が引退した後、鎧を引き継ぐということだ。
しかし、鎧は一つ。
受け継げるのは、たった一人だ。
普通ならば、一番上の男が継ぐ気がするが、双子ではどちらも納得しかねるだろう。
しかも、魔族なのだ。
おとなしく、相手に鎧を譲るはずがない。
「ついでに、ご自身が殺されないようご注意を」
しれっと真理も、怖い言葉を上乗せする。
「ははは、オレを殺せるならいっそ上出来だ」
極東のトップは、身体だけではなくツラの皮もしっかり鍛えているようだった。
「…お子さんは?」
ずっと黙っていた真理が、するりと声を吐き出す。
冷気もないが、興味もない口ぶりだった。
興味もないのに聞くということは、話を別方向へそらそうという思惑があるのだろう。
早紀の母親や、出生の話をあまり蒸し返されたくないのだ。
それは彼女も同じだったので、話の行方が気になり、真理の声を追うように、イデルグの方を見た。
「ああ、三人いる。男は二人…双子だ」
ニヤリと、1stは笑う。
さすがは魔族である。
好きだった魔女に袖にされても、そのまま諦めきれずに操立てなど、するはずがなかった。
そのニヤリは、どこか本気で面白がっている顔である。
「…それは、お気の毒に」
真理は、やはり興味のない口調で、社交辞令的に返す。
お気の毒?
早紀は、意味が分からなかった。
双子。
「男が二人いるだけでも厄介なのに、双子だぞ…まあ、せいぜい殺しあってくれ、ってとこだ」
イデルグの笑いに、早紀は動きを一瞬止める。
何か、物凄い発言を聞いた気がしたのだ。
いやな理解が、彼女の頭に浸透していく。
そうか、と。
イデルグの息子ということは、彼が引退した後、鎧を引き継ぐということだ。
しかし、鎧は一つ。
受け継げるのは、たった一人だ。
普通ならば、一番上の男が継ぐ気がするが、双子ではどちらも納得しかねるだろう。
しかも、魔族なのだ。
おとなしく、相手に鎧を譲るはずがない。
「ついでに、ご自身が殺されないようご注意を」
しれっと真理も、怖い言葉を上乗せする。
「ははは、オレを殺せるならいっそ上出来だ」
極東のトップは、身体だけではなくツラの皮もしっかり鍛えているようだった。


