極東4th

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 先触れが来たのは、朝だった。

 大して寝る必要はないのだが、それでも真理はけだるさを払えずにいる。

 ほぼ、起きたままだったのだ。

「と…いうわけだけど……どうする?」

 入り口にいるのは、修平。

 先触れとやらを、読み上げたばかりだった。

「相手が相手だから、受けるのがいいと思うけどね」

 つい昨日、真理は当主にあるまじき失態の数々を、さらけだしたばかりだ。

 その時の気持ちの整理など、まったくついていないというのに、また次がくるというのか。

「最後の追記は…なんだ」

 眉間に指先をあてながら、真理は不機嫌を冷やかさで吐き出す。

 読み上げられた言葉に、とりわけ気に入らない部分があったのだ。

「ああ…憑き魔女も、連れてこられたし、ってところかい?」

 修平は、すんなりとそらんじる。

 彼にとっては、さして気にならないところなのか。

「珍しい能力って、噂が広まり始めてるからね。物珍しさからだろ?」

 言われたら、納得出来ないわけでない。

 しかし。

 最近、早紀が絡むと本当に、ろくなことが起きないのだ。

 海族とのつながりの可能性も、真理のアキレス腱になるだろう。

 そんな問題児の早紀を連れて来い、というのだ。

 来い、と。

 そう真理に言えるのは、彼よりも上の地位の魔族のみ。

 上の地位。

 それには――極東での力の順位も含まれていて。

 先触れを出したのは、イデルグだった。

 そう。

 我らが極東4thの筆頭。

 一番の剛の者からの、夕食への招待状だった。