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「お困りのようですね」
真理の部屋にやってきたのは、タミだった。
早紀の探索については、修平に秘密裏に指示している。
失踪そのものさえ、箝口令(かんこうれい)をしいているのだ。
鎧の憑き魔女に逃げられ、まだ見つけられずにいるなど、カシュメルにとって悪い評判以外の何者でもない。
しかし、間の悪い時に、他の一族の居候がいるもので。
「問題ない」
真理は、彼女をカヤの外に追いやろうとした。
タミは、白すぎるほど白い顔を、ほんの少しだけ緩めてみせる。
彼女なりの、微笑みなのだろうか。
「私…彼女を探す方法、知ってますよ」
その、少しだけやわらかくなった唇が、意外な一言を吐いた。
一瞬だけ。
真理は、動きを止める。
しかし、すぐに時を戻した。
そんなことは、ありえないと思ったからだ。
早紀の存在を、完全に感知できる魔族は、おそらく契約している真理だけ。
事実、タミは早紀をうまく認識できていたなかった。
「出来るのです」
真理の沈黙を、信用されていないと理解したのか。
タミは、するりと手袋を外す。
初めて見る、彼女の手は──青かった。
真理には、はっきりとは認識できなかったが、その青の中にはたくさんの魔力が渦を巻いているように感じる。
「彼女から…前に魔力をもらいました」
上に向けた手のひら。
その青い手のひらから、糸が紡ぎ出されていく。
しゅるん。
細い細い蛇のように、糸は床まで落ちると、鎌首をもたげた。
「これは…彼女の魔力です」
早紀のつけている、濃紺のリボンと同じ色の糸だ。
まだ、タミの手のひらと糸はつながっている。
「この糸を切れば…魔力は持ち主の元へ戻ろうとします」
それを追えば──その先に、あの女がいるのだと。
そう、タミは言うのだ。
「お困りのようですね」
真理の部屋にやってきたのは、タミだった。
早紀の探索については、修平に秘密裏に指示している。
失踪そのものさえ、箝口令(かんこうれい)をしいているのだ。
鎧の憑き魔女に逃げられ、まだ見つけられずにいるなど、カシュメルにとって悪い評判以外の何者でもない。
しかし、間の悪い時に、他の一族の居候がいるもので。
「問題ない」
真理は、彼女をカヤの外に追いやろうとした。
タミは、白すぎるほど白い顔を、ほんの少しだけ緩めてみせる。
彼女なりの、微笑みなのだろうか。
「私…彼女を探す方法、知ってますよ」
その、少しだけやわらかくなった唇が、意外な一言を吐いた。
一瞬だけ。
真理は、動きを止める。
しかし、すぐに時を戻した。
そんなことは、ありえないと思ったからだ。
早紀の存在を、完全に感知できる魔族は、おそらく契約している真理だけ。
事実、タミは早紀をうまく認識できていたなかった。
「出来るのです」
真理の沈黙を、信用されていないと理解したのか。
タミは、するりと手袋を外す。
初めて見る、彼女の手は──青かった。
真理には、はっきりとは認識できなかったが、その青の中にはたくさんの魔力が渦を巻いているように感じる。
「彼女から…前に魔力をもらいました」
上に向けた手のひら。
その青い手のひらから、糸が紡ぎ出されていく。
しゅるん。
細い細い蛇のように、糸は床まで落ちると、鎌首をもたげた。
「これは…彼女の魔力です」
早紀のつけている、濃紺のリボンと同じ色の糸だ。
まだ、タミの手のひらと糸はつながっている。
「この糸を切れば…魔力は持ち主の元へ戻ろうとします」
それを追えば──その先に、あの女がいるのだと。
そう、タミは言うのだ。


