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距離は、あまり関係ない。
真理は、その事実を悪い意味で理解しなければならなかった。
早紀との――現実的な距離の話だ。
昨夜。
彼女は、屋敷を出たようだ。
朝、誰も早紀を見つけられなかった。
正確には、真理が問わなければ、使用人の誰一人と彼女の不在に気付かなかったのだ。
彼みずから早紀の部屋に赴いたが、そこには誰の気配も残されてはいなかった。
昨夜のあの出来事が引き金で、彼女は屋敷を出ていったのだろうか。
理不尽な事象に、真理は学校にも向かわず、自室で立ち尽くしていた。
知りたいと望んでいたから、彼はわざわざ労力を使い、それを調べたのだ。
そして、証拠の人間の近くまで案内してやった。
真理が、このカシュメルの当主が、そこまでしてやったのである。
感謝されることこそあれ、逃亡されるいわれなどない。
真実を投げ与え、早紀がいままでうだうだとこだわってきた過去と、決別させるつもりだった。
そう。
真実を。
ああ言えば、早紀のあきらめがつくと思っていたのだ。
しかし、結論は真逆だった。
早紀は消え、どこに行ったかさえ分からない。
かすかな雑音を感じるのは、いま彼女のいる場所に、何か関わりがあるのか。
これまでに数回感じた雑音。
いまだその原因は分からない。
ただ。
彼女がその原因に包まれた時のことを、真理には決して教えないということだ。
あのちっぽけな魔女の──数少ない抵抗。
そして、真理は知るのだ。
いますぐ、彼女を連れ戻せない現実を。
いつ、戻ってくるかも分からない。
簡単に言えば。
真理は魔女と共に。
大事な鎧を失った、ということだった。
距離は、あまり関係ない。
真理は、その事実を悪い意味で理解しなければならなかった。
早紀との――現実的な距離の話だ。
昨夜。
彼女は、屋敷を出たようだ。
朝、誰も早紀を見つけられなかった。
正確には、真理が問わなければ、使用人の誰一人と彼女の不在に気付かなかったのだ。
彼みずから早紀の部屋に赴いたが、そこには誰の気配も残されてはいなかった。
昨夜のあの出来事が引き金で、彼女は屋敷を出ていったのだろうか。
理不尽な事象に、真理は学校にも向かわず、自室で立ち尽くしていた。
知りたいと望んでいたから、彼はわざわざ労力を使い、それを調べたのだ。
そして、証拠の人間の近くまで案内してやった。
真理が、このカシュメルの当主が、そこまでしてやったのである。
感謝されることこそあれ、逃亡されるいわれなどない。
真実を投げ与え、早紀がいままでうだうだとこだわってきた過去と、決別させるつもりだった。
そう。
真実を。
ああ言えば、早紀のあきらめがつくと思っていたのだ。
しかし、結論は真逆だった。
早紀は消え、どこに行ったかさえ分からない。
かすかな雑音を感じるのは、いま彼女のいる場所に、何か関わりがあるのか。
これまでに数回感じた雑音。
いまだその原因は分からない。
ただ。
彼女がその原因に包まれた時のことを、真理には決して教えないということだ。
あのちっぽけな魔女の──数少ない抵抗。
そして、真理は知るのだ。
いますぐ、彼女を連れ戻せない現実を。
いつ、戻ってくるかも分からない。
簡単に言えば。
真理は魔女と共に。
大事な鎧を失った、ということだった。


