「あーあ」
鎧の男が、苦笑気味に早紀を見た。
あれ。
いつの間に、彼女は眠ってしまったのだろう。
夢路を歩いていた自分に、早紀は疑問を感じた。
眠れるような状況では、なかったというのに。
「まったく、オレの想像の及ばんことをするなあ、お前は」
さてさて、どうしたもんか。
一人で話を進める鎧に、早紀は考えをまとめられずにいた。
この夢路に来る前、彼女はあの屋敷を出たはずだ。
疲れ果てていた。
とにかく心がもう、この上なく疲れ果てて、いますぐ消えてしまいたいと思ったのた。
豪雨の中、早紀は生きるため以外の目的で歩いたのだ。
そして。
ふっと、残像のようによみがえる、雨のカーテン。
そのカーテンの向こうに、早紀は踏み込んだ。
わかっていたのだ。
頭の隅で、そのカーテンの向こうに何があるのか。
なのに、踏み出していた。
刹那。
ぬかるんだ泥の地面が、早紀の足を捕らえた。
斜めの地面。
存在を隠すことしかできない魔女は、人間と同じように簡単に、その斜面を転がり落ちた。
バシャンッ!
泥をたっぷりと含んだ、ひどい流れが彼女を受けとめる。
嗚呼。
最後に、早紀は思った。
魔女は――溺死できるかな。
鎧の男が、苦笑気味に早紀を見た。
あれ。
いつの間に、彼女は眠ってしまったのだろう。
夢路を歩いていた自分に、早紀は疑問を感じた。
眠れるような状況では、なかったというのに。
「まったく、オレの想像の及ばんことをするなあ、お前は」
さてさて、どうしたもんか。
一人で話を進める鎧に、早紀は考えをまとめられずにいた。
この夢路に来る前、彼女はあの屋敷を出たはずだ。
疲れ果てていた。
とにかく心がもう、この上なく疲れ果てて、いますぐ消えてしまいたいと思ったのた。
豪雨の中、早紀は生きるため以外の目的で歩いたのだ。
そして。
ふっと、残像のようによみがえる、雨のカーテン。
そのカーテンの向こうに、早紀は踏み込んだ。
わかっていたのだ。
頭の隅で、そのカーテンの向こうに何があるのか。
なのに、踏み出していた。
刹那。
ぬかるんだ泥の地面が、早紀の足を捕らえた。
斜めの地面。
存在を隠すことしかできない魔女は、人間と同じように簡単に、その斜面を転がり落ちた。
バシャンッ!
泥をたっぷりと含んだ、ひどい流れが彼女を受けとめる。
嗚呼。
最後に、早紀は思った。
魔女は――溺死できるかな。


