本日、溺愛注意報。

「だって湊くん、自分が道路側になるように移動させてくれたでしょう?」



さっきまで私は、道路側を歩いていた。

いくら田舎とはいえ、この時間帯は仕事終わりの人が車を使って帰るから、車通りが多くなる。

湊くんがそんなことを考えてくれたのかはわからないけど⋯⋯少なくとも、そうだったらお礼を言いたいなって思って。

それに⋯⋯湊くんと、話したかったし。



「さあ? 保科サンの勘違いじゃないのー」

「うっ⋯⋯だとしたら、ごめんなさい⋯⋯」



は、恥ずかしいっ⋯⋯自意識過剰、だったかも⋯⋯っ。

少しでも湊くんに近づいたら、肩同士が当たってしまう。

そんな近い距離。

こんなの⋯⋯初めて。

こんなにドキドキして、心がぎゅーってして⋯⋯もう、言語化が難しいくらい。

それくらい、湊くんに夢中になっているんだ。





「あ⋯⋯雨、止んできたね」


湊くんの言葉で空を見上げてみると、さっきまで雨が降っていた曇り空は、少しずつ青空を見せていた。