本日、溺愛注意報。

「ひゃ⋯⋯っ!?」



こ、この声はっ⋯⋯!

そう思いながら振り返ると、やっぱりそこには湊くんがいた。



「え、っと⋯⋯傘、忘れちゃって。
お兄ちゃんを呼ぼうかなと⋯⋯」

「お兄さん?」

「うん。二つ年上のお兄ちゃん」



ちは兄は帰宅部だから、今は家にいるはずっ⋯⋯!

ちは兄に迎えに来てほしいとメッセージを送ると、すぐに既読マークがついた。

よし、これで帰れる⋯⋯!

そう確信した私だったけど、ちは兄の返信を見て絶望した。


『ごめん、心陽。今は母さんに頼まれてスーパーに行っているから、しばらく行けないかも』


う、嘘でしょ⋯⋯。

唯一の救いだったはずの兄が、どこか遠くへと行ってしまったような気分。



「あれ、お兄さん来れないんだ?」

「か、勝手に見ないでくださいっ⋯⋯!」



一応、プライバシーなんちゃらがあるんだし⋯⋯!



「じゃあね、保科サン」



そのまま校門へ向かおうとしている湊くん。

その手には、湊くん一人が入るには大きすぎるサイズの傘が持たれていた。