新しい未来と無限の夢

昔から頼まれたら断れない私


今日も文化祭の準備で


色んな人から頼まれ事を受け


放課後一人で残って作業していた


ちなみに叶芽はバイトがあるため



「手伝えなくてごめん!朝陽にも伝えられたら良かったんだけど」



と謝罪をもらった


私が勝手に引き受けたから


元々二人に手伝ってもらおうとは


思ってなかったので



「気にしないで、私が断れなかっただけだし朝陽だって部活だから」



と笑顔で返事をしておいた


私の昔を知っているからか


悲しそうな顔をした叶芽は


最後にごめんねと謝りバイトに行った


最初は他のクラスも準備で賑やかだったが


少し時間が経てばあっという間に静かになった


今私の耳に入るのは私が作業している音と


遠くから聞こえるサッカー部の音だけ


黙々と作業を進め少し伸びをするついでに


時計を見るともう18:00を過ぎていた



「やばっ早く帰らないと…」



サッカー部は部活が終わるのが18:15で


今から片付けて帰ると


ちょうど時間が重なってしまう


朝陽は居残って作業していることを


知らないので


出来れば鉢合わせずに帰りたい


朝陽は人のことになるととにかく心配する人で


一度でなく何回も私が断れず


引き受けてるのをみてはたくさん注意された


最後のダンボールを片付けようとした時


廊下を誰かが走る音が聞こえ


その直後教室のドアが空いた


ほぼ反射的にドアの方を見ると


一番今会いたくなかった朝陽と目が合った



「なにしてんのそれ」


「あ、さひ」



朝陽の冷たいはっきりした声に対して


私の声はかすれていた



「こんな時間まで一人で残ってんのなんで?」



心配してくれているのはわかるし


何回も注意されていてこんなだから


怒るのもわかるが朝陽の冷たい声に


説明しようとしても声が出なくて


ただ視線を彷徨わせていた


何も言わない私に痺れを切らしたのか


教室に入りながら周りを見渡し私の前に立つと


私が持っていたダンボールを掴み取った



「これ、文化祭のだよな?あそこにあるのも朝はまだあんなに進んでなかった」



ダンボールが無くなった手を握りしめて


朝陽の顔が見えないように視線を下に落とす



「なんでお前一人でやってんの?また押し付けられてんの?」


「ち、違くて…」


「何が違うの?事実でしょ」



否定してもピシャリと遮られてしまう


ずっと黙ってる私にイライラしてきたのか


朝陽のため息が聞こえて口調が強くなった



「はぁ、なんで断んねーんだよ!いっつもいっつも引き受けてさ、ちょっとくらい断れよ!嫌なことは嫌だって言えよ!誰かに頼むとかしろよ!」



初めて聞く朝陽の怒鳴り声が怖くて


いつもの朝陽はそこに居なくて


私の話を聞いてくれない朝陽に


昔を思い出して泣きそうになりながら


辛くなった



「…るの」


「なに?聞こえない」


「…嫌だって言えば周りは言うことを聞いてくれるの?断って嫌われたらどうするの!?頼める人がいたら頼んでた!叶芽は今日はバイトで朝陽だって部活だった!他に誰もいなかったのに誰に頼むの!?私が断って文化祭が台無しになったらどうにかしてくれる!?どうにも出来ないでしょ!?私の昔を知らないくせにそんな簡単に言わないで!」



勢いに任せて泣きながら


朝陽に負けないように叫んだ


息を整えている間に


朝陽がなにも言ってないことに気づき


顔をあげると


まるで私が叫んだことに驚いているかのような


私が泣いてるのを見て辛そうな


色んな意味にも捉えられる顔をしていた



「あ…ご、ごめん…言いすぎた…」



その顔をみて言いすぎたことに気づき


慌ててカバンを持って教室を飛び出して


そのまま止まらずに走って家まで帰った


自分の部屋に入りカバンを適当に投げ


そのままベッドで泣き続けた