恋を知らない私、愛されます⁉︎

大会の次の日――。

……はぁ。


俺は朝から、ずっとドキドキしていた。

昨日の大会で、由良にとんでもないことを言ってしまった。


『由良からのキス』

…………。


うわぁぁぁぁ!!

今思い出しても、恥ずかしすぎるだろ!

なんであんなこと言ったんだ、俺……。


……いや、まあ。

本当は、冗談なんかじゃなかったんだけど。


はぁ……。

そんなことを考えながら、教室へ向かった。


教室に着くと……

ん?

なんだか、由良の声が聞こえる。

……何の話をしてるんだ?

気になって、そっと耳を傾けてみると――。

『恋』


…………。


えっ?

恋!?

由良が恋バナしてるのか!?


……ってことは。

由良って、好きな人いるの!?


やばい。

めちゃくちゃ気になるんだけど……!


誰だ?

同じクラスのやつ?

それとも、別のクラス?

まさか、他校の男子とか……!?


まだ好きな人がいるって決まったわけじゃ……。


「何してるの?」

気づけば、俺は2人に声をかけていた。


「恋バナっ!」

玲奈が楽しそうに答える。

……予想的中。


マジか。

恋バナしてたのかよ。


「へー……。由良って、好きな人いるの?」

できるだけ平静を装って聞いてみた。


「いるよ!」


…………。


えっ。

いるの!?

「……誰?」

思わず聞き返してしまった。


やばい。

誰だろう。

気になる。

めちゃくちゃ気になる!!

心臓が、さっきからずっとバクバクしている。


頼む。

どうか、俺の知ってるやつじゃありませんように……。

……いや、待て。

それはそれで嫌だな。


そんなことを考えていると、由良は満面の笑みで答えた。

「数学♡ 数学は裏切らないよ!」