番犬姫と総長さま

登下校中に狙われたら、私がいたとしても危ないもんね。



「ねぇ見て、珠桜! 相変わらず大きい学校だねぇ」

「斎宮家と比べたら、そんなに変わらない大きさでしょう?」

「学校として見たらって話だよ〜。
なんてったって、国内屈指のエリート校だし」



車の窓から見える学校を見て、麗がそう呟いた。

私たち二人が通っているのは、私立黎明(れいめい)学園。

有名な企業や財閥の御曹司・令嬢も通っている超名門校だ。

運動や勉強に秀でた生徒が集まる、国内屈指のエリート校でもあるのだ。

私は勉強はそこそこだけど⋯⋯入試にあった実技試験で満点を取ることができたから、ここに合格できたんだ。



「到着いたしました」



運転手さんのそんな声で、車が止まる。

私と麗は車から出て、校門へと歩き始めた。



「見て、斎宮さんよ⋯⋯!」

「今日もお美しいわねぇ」

「さすが、斎宮家の後継者だわぁ」



校門へと向かっている私たちに注がれる、無数の視線。

それらはほとんどが、麗へ向けられたものだ。