番犬姫と総長さま

「もちろん。学校では任せてよ、お父さん」



学校に行く前、いつもお父さんに言われていること。


“今日も麗を守ること”。


麗は財閥家の後継者だから、
命を狙われたり、誘拐されたりすることだってある。

本来なら学校にもSPやボディーガード、護衛を何人か派遣するはずだ。

でも、普通の学生生活を送りたい麗は、それを嫌がった。

麗のお父さんは渋ったけど、天龍院家の娘である私が常に麗の隣にいることで、全員が納得する結果となったんだ。



「み〜お〜!」

「わあっ⋯⋯! 麗、急に抱きつくと危ないってばぁ」

「えへへ。だって、珠桜のこと大好きなんだもーん」



麗が抱きついて、彼女の髪の毛が私の頬をくすぐる。

ふふっ⋯⋯なんか、くすぐったいな⋯⋯っ。



「お嬢様、珠桜様、発進いたしますので、気をつけてくださいね」

「はぁい」

「お願いします」



斎宮家の送迎車に乗って、麗と一緒に学校へ向かう。