番犬姫と総長さま

「もう、麗ったら⋯⋯」



天龍院家というのは、私の生家だ。

武道に長けていて、私のお父さんもおじいちゃんもあらゆる武術を極めた達人だった。

そして、天龍院家はただ武道に長けているだけの一族ではない。

麗の生家、斎宮家御用達の護衛一族なのだ。

おじいちゃんは麗のおじいちゃんの、お父さんは麗のお父さんの護衛で、
娘の私も、まだ正式ではないけど護衛役のような立場にいる。



「お嬢様ー!? 麗お嬢様ー!!」

「どこにいらっしゃるのですかー!!」

「返事をしてくださいー!」



麗の家の方から、メイドさんたちの大声が聞こえてきた。

麗にも聞こえたようで、なんだか寂しそうな表情を浮かべた。



「あちゃー、今日はここまでかあ。またね、珠桜っ」

「うん。麗も、またあとでね」



自分の部屋へと戻る麗を見送ってから、私は稽古を再開した。

この稽古も、麗を守るため。


私の大事な幼なじみは___絶対に、誰にも傷つけさせない。

☆     ☆     ☆

「珠桜。今日もちゃんと麗お嬢様を守るんだぞ」