番犬姫と総長さま

斎宮(さいぐう)家___それは、日本有数の財閥の一つであり、莫大な資産と政界での高い地位を持っている、正真正銘のお金持ち一族。

そして、その斎宮家には秘密裏に護衛を依頼している一族がいた。

その一族は武道に長けており、代々、斎宮家の人間の護衛を務めてきたのだ。

___そして、その一族⋯⋯天龍院(てんりゅういん)家に生まれたのが私、天龍院珠桜(みお)。




まだ肌寒い朝。

私は自分の家の庭に出て稽古を始めていた。

⋯⋯まだちょっと寒いけど、体を動かしたら暖まるかなあ⋯⋯。



「みーおっ。おはよう!」



上から鈴のように軽やかな声があたりに響き、私は顔を上げた。



「⋯⋯あれ? 麗、なんでこんなところまで来てるの?」

「うーん⋯⋯珠桜に会いたかったから、かなっ?」

「もうっ⋯⋯」



大きなバルコニーから身を乗り出して声をかけてきたのは、幼なじみの斎宮麗(うらら)。

麗は日本有数の財閥である斎宮家に生まれた、正真正銘のお嬢様。