義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される

「あら、ハルベルト様からのお手紙?こんな辺鄙な場所へわざわざお手紙を送ってくださるなんて、ハルベルト様はお優しいのね」

 ハルベルトは親同士が決めたシーラの婚約者だ。シーラをランドベル家から早く追い出したい父親が勝手に進めた婚約なので、ハルベルトとは一度しか会ったことが無い。

「お優しい方なのかもしれないけど、別にシーラのことを思って手紙をくれているわけじゃないのよ?ただ、家同士で決めた結婚相手だからと義務で送ってきているだけ。勘違いしないことね。それから、この手紙はあなたみたいな女には必要ないわよね?」

 そう言って、あくどい笑みを浮かべながらキリルは手紙をびりびりと真ん中から破っていく。

「な、なにをするんですか……!」
「うるさいわね、誰がしゃべっていいと言ったの?」

 びりびりと手紙を細かく破きながら、キリルはシーラをきつく睨みつける。あまりの恐ろしさにシーラが絶句していると、キリルは破った手紙を両手でまき散らした。

「あはは、あー楽しい。さて、可愛い妹の顔も見れたことだし、私は帰ることにするわ」

 そう言ってキリルは玄関まで歩き、くるりと振り向いてシーラを見た。その顔には嫌らしい笑みが浮かび上がっている。

「また、遊びに来るわね」

 バタン、と扉が閉まり、シーラはその場に崩れ落ちた。