まったく、人間界というのは魔法界からアクセスが悪すぎる。
真っ暗な暗闇で少しの間過ごさないといけないし。
でも、その時間さえ終わればパァッと外は明るい。
思わず、両腕を上げたくなっちゃう。
「どーんっ!」
「ぶべらっ!!」
着いた着いた着いたっ!
人間界だ―っ!
今回は、ちゃんと正規ルートで来たんだけど、たしかここが下宿先。
早速ご挨拶をしなきゃだね。
ってか、さっき何か聞こえたし、手にも何かあたっ……ああああああっ!
「だ、大丈夫ですかっ!?」
手の違和感を確かめるために視線を落とすと、男の子が倒れてるっ!
大変だ……!
慌てて狭い箱から飛び出して男の子の体をゆさゆさと揺する。
はっ! でも、ダメじゃん……!
倒れてる人の体って揺すったら……!
えっとえっと、こういう時は……。
「ご、ごちそうさまです」
両手を合わせてそう言うと、彼はふっと上体を起こす。
「ご愁傷様って言いたいのか!? いや、死んでねぇわ。殺すな!」
「おぉ……! さすがは校長先生が言ってただけのことはある。良かった、元気になったようで」
私がにへらと笑って言えば、男の子は顔をひくひくと動かす。
「誰のせいだと思ってんだ……!」
「はっ! たしかに……誰にやられたの!?」
「お前だわ!」
ビシッと勢いよく指さされると、きょとんとする。


