「くっそ……。どこにいるんだよ……!」
音がした時は、ドキドキしたけれど姿を見つけられないのはモヤモヤする。
というのもゴから始まる四文字のアイツは、一匹いたら百匹いると思えと言われるほど繁殖力のとんでもないバケモノ。
ここで逃したら、わが家には二百匹いることになる。
俺が去年、一匹仕留めそこなった……じゃなくて、命を見逃してやったからだ。
カーペットの下、カーテンの裏、カバンの中。
とにかく、この部屋の中で隠れられそうな場所を片っ端から探すけれど、姿が見当たらない。
というか、今日はマジで見つけられないと夜寝れねぇじゃねぇか……!
そう思った時――。
カサカサっ!
「っ! そこかぁ! って、んえぇぇえっ!?」
背後から音がして、勢いよくバッと振り返るが、そこには勉強机しかない。
何だ、聞き間違いか。
そう思ってまた視線を逸らそうとした時。
動いた。
机が。
机が?
そう思うだろ?
だから、じっと勉強机を見ていたら――ガタガタガタガタっ!
どったんばったん動き出したのだ。
「うわうわうわうわっ! な、何だよ!?」
ゴキブリじゃねぇだろ!
って、名前出しちまったじゃねぇか!
仕方ない。
仕留めるぞ。
ごくりと生唾を飲み込み、ジリジリと勉強机に近付く。
冷や汗が背中と頬を伝う。
丸めたフリーペーパーを持つ右手を大きく振りかぶった。
次の瞬間。


