「ん-ん! 私は日本に来たかったけど、知り合いがいるわけじゃないから校長先生とキミの親父さんが知り合いなんだと思うよ!」
「そうなんだ。お前は何しに日本に来たかったの?」
男の子はきょとんとしているけど、私もきょとんとしてしまう。
嘘、でしょう……!?
その質問をするのに、あのフレーズを使わないなんて……!
魔法界に住んでる人間界オタクの私でも知ってるのに!?
私なんてただの、にわかオタクなのに!?
「え!? お兄さん、そこはYOUは何しに日本へ? じゃないの?」
「お前、守備範囲広いな」
お兄さんは、なぜか呆れたようにため息を吐く。
「私はね、美味しいものを食べるために来たんだよっ! あっ、もちろん人間界の人たちは良い人多いし、食べ物食べたくて!」
一度食べ物のことが頭に浮かぶと、じゅるりとヨダレが出そうになる。
あっ、ちょっと出てるわ。
危ない危ない。
腕でゴシゴシと口元を拭った。
同時に、ぐぅ~とお腹が鳴る。
ハッ!! そういえば、移動中何も食べてないからお腹空いた!
パッとお兄さんの方を見れば、彼はまたため息を吐いた。
「……簡単なので良いなら作るけど」
「どら焼き!」
「ねぇよ」
聞いてくれたのに、答えは端的で冷たい。


