桜の雨が止む前に、君の嘘に気づけたら。


ポカンと見つめると桜の男の子は口から手をずらして、イタズラっぽく言った。




「そんなに俺と手繋ぎたかったんですか?」




彼は、少し意地悪に口角を上げて私の顔を覗き込んでくる。

からかうようなその言葉に、私の顔は一気に沸騰した。

さっきまでのネガティブなんてどこかへ吹き飛んでいってしまったくらい、頭が真っ白になる。




「な……っ! ちっ、違いますっ……!」


「あははっ、冗談だよ?」


「あ、う……」




言いよどむ私は、遠くから見てもすごく真っ赤な顔になっちゃってるんだと思う。

2階から、五十嵐先生の呆れたような、心配を含んだような声が降ってくる。




「……藤城。大丈夫か? とりあえず早く校舎に入れ!」


「あっ、すみません!」

「すっ、すみませんっ!」




同時にそう答えて、顔を見合わせる。

すごい、またそろった……!