ひらひらと桜の雨が降る、あの春の日。
俺が恋したのは、
桜みたいに綺麗で、今にも消えてしまいそうな
君でした。
歌乃。
ねえ、歌乃。
あの儚い見た目とは違って負けず嫌いなところも
すごく優しくて泣き虫なところも
全部、ぜんぶ。
大好きだよ。
どうしてもっと早く伝えられなかったのかな。
弱虫で、ごめんね。
歌乃に本当のことを言ったらさ、
きっと泣いちゃうだろうと思ったんだ。
こんな俺だけど、
ずっと好きでいてくれますか?
……ううん、うそだよ。
歌乃には、前に進んでほしいな。
好きでいて、なんて言わないから。
……だからさ、おねがい。
──あの春の記憶を、忘れないで。

