30センチ後ろの特等席







雪の匂いと共に飛び込んで来たのは、息を切らせた──佐藤くんだった。











部活が途中で無くなったのか、肩にうっすら雪を乗せている。






佐藤くんは暗がりの教室を見回し、私の姿を見つけるとフッ、と息をついた。


そして迷いのない足取りで自分の席へと歩いて来る。










彼がガタンといつもより少し強く席へ腰掛けると、目の前にいつもの背中が現れた。













紺色のセーター。

癖のあるつむじ。


私達以外、誰もいない教室。