「え!? 佐藤くんが消しゴムをくれた!?」
放課後。
誰もいない渡り廊下で、友達の千明が目を丸くして顔を覗き込んできた。
私は慌てて千明の口を両手で塞ぐ。
「こ、声が大きいよ……! それに、貸してくれただけだからっ!」
しっかり訂正してから、手を離す。
「ごめんごめん。でもあの佐藤 陽飛が女子に自ら物を貸すなんて! 天変地異じゃん!」
あの、ってどういう意味だろう?
「小雪、それ絶対脈アリだって」
「な……っ、違うよっ! 私が困ってたから親切にしてくれた、だけで……」
ブンブンと首を振る私に、千明は意地悪そうに笑う。

